書籍:『コナン・ドイルは語る リセットへのシナリオ』紹介
『コナン・ドイルは語る リセットへのシナリオ』
著者:三上直子+山川蓮
発行所:サラ企画
価格:1800円+税
発売日:2016年6月11日
単行本(ソフトカバー):226ページ
本書紹介
【はじめに】
名探偵シャーロック・ホームズは、聖書に次いで多くの人々に読まれた本だそうで、その作者のコナン・ドイルを知る人もまた多いであろう。しかし、そのコナン・ドイルが、晩年は<スピリチュアリズムのパウロ>と呼ばれるほど、スピリチュアリズムの伝道師として世界中を回っていた、ということをご存知だろうか。私自身、子どもの頃からのシャーロキアンだが、その事実を知ったのは後年、心霊学を学ぶようになってからである。
彼のそのような変化は、第一次世界大戦で息子をはじめとする親族を次々と失ったことにあったようだが、晩年の14年間はイギリスだけでなく、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ、カナダ、アフリカ、ヨーロッパと、5万マイルを旅して回り、時には「シャーロック・ホームズの話をしろ!」という罵声を浴びながらも、30万人に対して講演をして回った。また、“The New ReveIation”(1917年)をはじめとして7冊の心霊学関係の本を著し、そのための出版社や書店を作るなどして、それに費やしたお金は25万ポンドに及ぶと言われている(現在に換算するなら億単位になる)。
彼自身は、「心霊主義者としてのメッセージが、もっと受け入れてもらえるようになるのなら、どんな文学的名声であろうと喜んで犠牲にする」と宣言して、それまで作家として培ってきた富と名声のすべてをかけての普及活動だったが、一般的にはそのような変化はあまり受け入れられることはなく、その後の伝記作家たちも「結局は、その目的を達することなく、犠牲だけ払うということになってしまった」と書くか、その部分にあまり触れずにすませる人たちが多い。しかし、コナン・ドイル自身は最後までその信念を貫き、あの世からメッセージを送ることを約束して、1930年7月7日に71歳で静かに息を引き取った。
そして、その約束を果たすべく、死後しばらく経ってから、当時有名であったグレース・クックという霊媒を通して、あの世からのメッセージが送られてきた。それは1933年に「神の国の到来」(THY KINGDOM COME)として出版され、長編にもかかわらず、かなり多くの人々に読まれた。1957年にはグレース・クックの夫であるアイヴァン・クックによって、編集し直されたものが“The Return of Arthur Conan Doyel”として出版され、日本では1994年に「コナン・ドイル 人類へのスーパーメッセージ」大内博訳、講談社として訳出された。その内容は、主にコナン・ドイルが生前語っていたことの間違いを正すというものであり、また<死後の世界>についてアストラル界と、精神界、天界、宇宙界に分けて、より具体的・総括的に説明する、というものであった。
実はその中で、第二次世界大戦に関する予告と共に、次のような文言も書かれていた。
『私はただ繰り返し、こう述べるしかありません。大変動があるでしょう。その結果、現在はてしない海原が広かっている場所に、巨大な新しい大陸が現れるでしょう。そして、それと同じ広さの大陸が海に埋没することでしょう。
もはやその命令は発せられました。すでに神の創造的なエネルギーが活動しているのを見てとることができます。ある人種が、現在の人類よりもかなり先立って進化をとげることでしょう。こうした変化と共に、地球そのものの物質的状態も清められ、地球を取り巻くさまざまな異次元の局面も浄化されることになるでしょう(編者注・こうした出来事がいつ起きるか、ということについての言及はなく、かなり未来の出来事である可能性がある)』
第二次世界大戦については実際に予告通りになったが、上記の大変動が果たしていつ起こるのかは、あの世の時間が地上とは異なるために、私たちのあずかり知るところではない、と思っていた。しかし、いろいろなことから、それがそろそろ近いのではないかと思い始めたときに、このコナン・ドイルのメッセージが届けられるようになった。それは、これまでまとめてきた『サラ・メッセージ』と、『サム・メッセージ』に続く流れの中で起こったことなのだが、コナン・ドイルはその目的を以下のように述べている。
『生前、私はスピリチュアリズムの探究と伝道に、人生の後半のほぼすべてを費やしていました。その後、他界して「大変動が起きるでしょう」と霊としてメッセージを降ろしました。そして今、<リセット>の仕組みを説明するため、再びメッセージを降ろしています。私のこれまで歩んできた道のりは、ここに集約するためのいわば助走でした。そして私1人というよりは、多次元的人格存在の私たちは、この使命を成就するために、何世紀をも費やしてきているのです』
誰しもこれが本当にコナン・ドイルのメッセージであるかどうか、当然疑うに違いない。彼自身が生前、メッセージが本物であるかどうかは、しっかりその内容を検証する必要がある、と述べていたし、死後あの世からのメッセージを届けてきたときは、それが確かにコナン・ドイルの通信であることを証明するために、心霊写真として写ることまでした。それは、当時の新聞に掲載されたほど極めて鮮明なもので、その後心霊写真の代表となったものである。それゆえ、もちろん私たちも何らかの証拠の提示を求めてみたが、その回答は以下の通りだった。
『「コナン・ドイル 人類へのスーパーメッセージ」で写真での証明をしたのは、霊的なものを何でも信じ込む風潮に対する本物の提示による歯止めでした。私の当時の使命は、アストラル界の幻影と本物の霊的メッセージを明確に切り分けること、そして物質的な証明後の内容部分、その霊路を通ってその後に伝わって来る、確かなメッセージの土台を作ることでした
しかし、今回は証拠が提示されないことが、これから進む上での何よりの強みとなることでしょう。名前に群がる人、内容を鵜呑みにする浅はかな人たちを退けるには、うってつけの状況である、ということです。もし証拠が手厚く提示されたリセット情報が、“まもなく”であるという切迫感のもとに大衆に広まれば、それを受け取る度量のない人にまで影響を及ぼし、不安と混乱をかきたてるだけに終わってしまいます。情報の受け取り手が、怪しいと拒否できるだけのあいまいさを、あえて残して発信することこそ大切です。
そして、本当にこれらの情報を受け取るべき方たちは、その内なる自己からわきあがってくるインスピレーションによって、直観的に判断されることでしょう。それが、コナン・ドイルからのものであろうと関係なく、その情報(内容)の持つ振動に共鳴するためです』
これまでの『サラ・メッセージ』や『サム・メッセージ』と同様に、私たちは本書についても何ら正当性を主張するつもりはない。ただ読むべき方々に読んでいただくことを願いつつまとめたものである。全体の構成は、第1章で生前のコナン・ドイルの主張を「コナン・ドイルの心霊学」を参考としてまとめ、第2章では、彼の他界後にあの世から伝えてきたメッセージを「コナン・ドイルのスーパーメッセージ」を土台にしてまとめた。そして最後の第3章では、山川蓮さんを通して、再びコナン・ドイルから送られてきたメッセージをまとめた。こうして通覧してみると、確かに1848年に始まったスピリチュアリズムは、ここへと至るための<天と地の共同プロジェクト>の大きな流れなのであり、その中心にコナン・ドイルがいた、ということが分かる。
さて、より多くの方々が<この情報が持つ振動に共鳴>していただくことを祈りつつ、コナン・ドイルの生前、他界後、そして今、伝える内容をたどっていくことにしよう。
【目 次】
第1章 スピリチュアリストとしてのコナン・ドイル
1.コナン・ドイルの生涯
1)生い立ち
2)時代的背景:スピリチュアリズムの興隆
3)スピリチュアリズムへの最初の関わり
4)<スピリチュアリズムのパウロ>としての晩年
2.スピリチュアリズムに関する著書
1)心霊現象に関する科学的根拠
2)心霊現象に関する新たなる啓示
3)死後の世界の実相
4)その他の著書
第2章 コナン・ドイルのメッセージ:あの世からの訂正
1.コナン・ドイル没後のエピソード
2.メッセージが送られてくるまでの経緯
3.コナン・ドイルが低層界にとらわれていた理由
4.死後の世界の階層図
1)アストラル界
2)第2の死
3)精神界
4)天界
5)宇宙界
6)他のメッセージとの比較
①「誰も書けなかった死後世界地図」との比較
②精神界および人生回顧についての補足的な説明
5.心霊主義の問題点
6.善悪について
7.未来への警告
第3章 コナン・ドイルの再来:リセット・リスタートのシナリオを語る