立花隆<あの世>でのインタビュー シリーズ1~3の感想:コナン・ドイル×浅野和三郎

 

2022年619

立花  『今回、シリーズ1~3の感想を、男性チームと女性チームに分けてお伺いすることになりました。まずは男性チームということで、西洋を代表するコナン・ドイルさんと、東洋を代表する浅野和三郎さんにお越しいただいています。私の感想はシリーズ3の中でお話しましたので、まずはお二人の感想をざっくばらんにお話しいただけますでしょうか』

 

ドイル  『シリーズ1に関しては、私の死後階層図が基盤となって心霊学が体系化され、その後の展開も発展していますので、それをまずは個人的に嬉しく思いました。


全体感想としては、<あの世>の学問である心霊学に対して、主に<この世>の探究をしている科学というのは相容れないと思われがちですが、それを第1部の「心霊現象の物理学的証明」の項で、クルックスさんがうまくつないでくれましたね。

 

つまり、「<この世>で起こっていた心霊現象を事実に基づいて客観的・科学的分析することで、<あの世>の存在を証明した」ということですから。あの世とこの世は、近代科学が勃興してから観念としても別枠となってしまっていたところを、その一点においてつないだことが何とも感動的でした。

 

シリーズ1では、そのつなぎ目を押さえた上で、3次元→5次元→7次元へと解明する次元をあげていくと、あの世の法則である<色即是空・空即是色>とこの世の科学で解明された<量子力学の不確定性原理>が、「意識すればそれはある」ということでの共通項として見えてきたというのも、また面白いと思いました。そして最終的に9次元に到達すれば、最新科学で言われている<超ひも理論>の世界観であるマルチバースや人間原理は、心霊学の延長からはじまっていたあの世の探究とまさに共通していたということで、また合致します。

 

そこから「何のために神はこの世界を、この人間を創ったのか」という哲学的命題に展開していきますが、それがより根源的なはじまりの神というのは<無知の知の神>であり、自分や世界を知りたいと思い、分身に分かれてこの世で体験をし、その学びをあの世の情報の場(アカシック・フィールド)に書き込んでいくという仕組みを作ったのではないか、と展開します。

 

そして3次元になれば個に分かれた人間として、あの世側の分身(あの世の私)が謎をかけてこの世側の分身(この世の私)は謎を説いていくということが本格的になされるが、それは人間の<あの世とこの世をつなぐ脳>の可能性を最大限に開発していくことになる。その脳を駆使して、あの世とこの世の両方向から皆で協力して、時間をかけて解明していき、最終的に集まった情報を分析・整理・統合してアカシック・レコードとして書き込めば、新たな次元を開くことができる。それが最終目標だったということですね。

 

この宇宙泡では人間にそれが託されているので、人間原理が成立しているのだと思いますが、これらの理論は目からウロコで、それまでの<全知全能の神>の概念を大きく覆すものでした。こうして賞賛することは、「身内意識だから」と思われるでしょうが、そうではなくお世辞抜きで衝撃的な感動がありました』

 

立花  『その感動は分かります。そしてそれが「身内感覚で自画自賛しているのだろう」と一般的には思われてしまうというもどかしさも、私も感じます。おそらく3・5次元までの感覚のみの人にとっては、シリーズ1は本当にチンプンカンプンだと思いますが、7次元・9次元にまで意識が届くような方、そしてシリーズ1は特に科学者向けにまとめられた本でもあるということで、そのような方々が読めば、かなり整然と理論構築されている本であると、ご理解いただけるのではないでしょうか』

 

ドイル  『そう思います。あの世の科学者の方々も「ブラボー!」「快挙!」と大喜びですが、そのテンションで感想を言うとますます怪しがられそうで、あえてトーンを落として冷静に語っているくらいです()

 

立花  『天界でもけっこうざっくばらんな会話は多いですからね。この後の女性チームがどんなトーンで語り出すか、少しドキドキしているんです()。まぁ、それはあとで考えるとして、浅野さんはいかがでしょうか?』

 

浅野  『私はやはり東洋の代表、すなわち日本人として感慨深いものが、シリーズ1ではありましたね。スピリチュアリズム(心霊学)も科学も、ほとんどが西洋的な分析的思考によって理論構築がなされていて、本ではその理論を積み上げて解明がなされていました。

 

しかし、その理論の中核には、日本の神道の中に秘められていた<直日>がありました。直日は「あの世とこの世の意識の通り道」として、そしてそれらをつなぐ脳の中にもあり、それが結局はすべてをつないでいる根幹ということでしたよね。

 

その核心である直日が、日本人の無意識の中に保存されていて、それが西洋と東洋が統合されるというこの最後の段階になって明らかにされました。そしてその直日はブラックホールともイコールで語ることができ、次元を隔てるシールドという重要な機能も担っていました。

 

科学をリードしたのはアインシュタインなどの西洋人でしたが、最終的に超ひも理論の生みの親である南部陽一郎さんや、小脳研究の第一人者である伊藤正男さんなどが重要な項目を解説していただきました。

 

シリーズ1ではあの世とこの世という壮大な世界観で語られているので、そのような西洋と東洋の統合がなされた上での理論展開ですが、そこに至るまでの様々な背景が私としては推測できました。

 

そしてシリーズ2ではその日本を舞台に、それら西洋と東洋の統合的な神話が、ヤハウェとアマテラスを象徴としたストーリーとして展開していきます。そして今回の地球ゲームは根の国(レムリア)の龍神が主導したということ、そのための日本の役割、平成内でのリセットの試み、さらには次元をあげたチャレンジなど、まさに次の世界に語り継がれる神話のようなストーリーです。

 

私は生前、西洋のスピリチュアリズムを日本に導入した立場でしたから、それがこのような大きなストーリーの重要な位置にあったのだと思うと感慨深く、使命としての納得感もひとしおでした』

 

立花  『ドイルさんは、シリーズ2はいかがでしたか?』

 

ドイル  『私も「コナン・ドイルは語る リセットのシナリオ」の引用として、最初に登場させてもらっています。シリーズ2はそのリセットに向かうプロセスを時系列で並べてありのままに示してあるので、物語としても面白く読めました。

 

中でも「リセット・リスタートは神の愛と叡智によるものだ」ということですが、シリーズ1は79次元の叡智の切り口で、シリーズ2は5次元の愛の切り口に重点が置かれている箇所が多かったですよね。

 

愛と叡智はどちらも必要であり、なおかつそれは各次元ごとの段階があるものですが、しかしどの段階においても味わい深い<愛と叡智>がこのプロジェクトには盛り込まれているように思いました』

 

立花  『天界にいるみんなも、一緒にその各次元の<愛と叡智>を、段階的に学んでいったということですよね』

 

ドイル  『そうです。天界のみなは、最初はほぼ5次元レベル、届いたとしても7次元まででした。天地の対話で解明が進み、アカシック・フィールドから降ろした情報を、地上で統合してアカシック・レコードに変えていくごとに、地上のみなさんも7次元・9次元・11次元へとアクセスする次元を上げてこられましたが、それと連動して私たちも学びを深めていったのです。

 

シリーズ1に関しては特に、地上の方々がリードしつつ、天地の対話で共にまとめていくという感じでした。逆にシリーズ2での展開は、天が意図したストーリーを地上の人々が素直に受け取ったために、あれだけダイナミックな展開になっているといえます』

 

立花  『確かに<4次元シールド突破>ということで、トンネルで「君が代」を歌うというのは、普通なら思い付いたとしても実行する段階で疑ってしまいますよね()

 

浅野  『結局、サラ・プロジェクトに集まっている地上の女性たちは、大霊能者(ご本人たちは面白おかしく大魔女集団と呼んでいます)がそろっているので、直観的に事の重要さを受け取っているために、それに素直に反応するのでしょうね。

 

それに関しては「則天去私」が徹底されていて、かといって自我がないままなびいているということではなく、自我での現実検討力と直観を駆使しながら、天の意向に意志をもって合わせている、ということがポイントだったと思います』

 

立花  『霊能力だけでなく、自我も成熟していた、ということですね』

 

浅野  『それは全員ではないのですが()、審神者は霊能者でありながら、自我も鍛えられているという、霊体脳と肉体脳の両方を発達させている必要があるんです。審神者がしっかりしているからこその、ブレないプロジェクトストーリーだったということです』

 

立花  『浅野さんも審神者だったから、その辺はよくお分かりになるんでしょうね』

 

浅野  『はい、このシリーズ1~3は審神者と霊媒のペアであったからこそ、<天地の対話>が10年もクオリティを保って、いやむしろ高次元へとレベルアップをしながら進むことができていました。レベルアップができていた要因は、シリーズ3にあるように、霊媒の第2層の闇を意識化し続ける、<魂の対話>も並行して行われていたからです。

 

普通は、霊言のクオリティを保つだけでも大変なところ、そのレベルを上げてこられたのは、審神者が心理学者でもあったからでしょうね。魂の段階はまずはあるものの、心のクリアさに応じてアクセスする次元というのは変動していくものですから』

 

立花  『ドイルさんは、シリーズ3はどのように御覧になっていたでしょうか?』

 

ドイル  『実は、私はシリーズ3にも出ていて、立花さんにもそこでインタビューをしていただきましたね。シリーズ3といえばやはり、立花さんの登場は鮮烈でした。大きな役割を果たしていただいたなと思いましたよ。

 

しかも、クルックスさんとの「あの世の科学的証明」の話からはじまり、「脳と意識」や「無知の知と観念」という、縦軸の内容をあれだけ簡潔に凝縮したエッセンスとしてまとめたインタビュー展開は、目を見張るものがありました』

 

立花  『あー、それは天界と地上の共同で成し遂げてきた、それまでのプロセスがあったからこそ、皆さんの胸を借りて、最後に端的にまとめられたということでしょうね。脳の中に細やかなネットワークを作って美しく広げてあると、全体像が見えた上でその核心部分を拾うことができるんです。

 

質問者である審神者の脳がそのようになっていたから、私も情報が散らばるアカシック・フィールドの中から、要点をしぼって引き出すことができました。ドイルさんは実際に登場されていかがでしたか?』

 

ドイル  『私が出たのは「アストラル界と心の闇」というテーマで、自分の第2層の闇体験をあらいざらい開示するという流れでした。それをコナン・ドイル、河合隼雄、三島由紀夫という男性3人で行いましたからね。

 

ちょっとありえないメンツである上に、三島さんはぶっちゃけモードで最初から飛ばしたじゃないですか。だから「あらー、もうこりゃしょうがないな」という感じで、かっこつける間もなく白状しました()。でもそれは楽しかったですよ。男性の私たちが最後にそれをする必要があったのでしょうね。

 

そして自殺した人も、心理学者も、スピリチュアリストも、それぞれに心に闇(無意識部分)を抱え、しかしその体験をありのままに見て、受け入れて、そこから学ぶことが出来た時には、その闇が昇華された形となって、むしろその人の魂の輝きをいっそう豊かにし、個性に深みを与えるものになるのだということが分かりました。シリーズ3は3次元での話ですが、その3次元こそ複雑で、なかなか奥深いものがありますね。

 

一般的には女性は内に向かい、男性は外に向かう傾向がありますが、最終的には自分の中に男性性と女性性の両方があり、それを自らが統合していくために、心の闇を見ていくというプロセスは必要だったのだなと思いました。

 

そういう意味で、それまでは「あの世とこの世の統合」や「西洋と東洋の統合」など、大局的な視点で語られていましたが、その宇宙を内包した人間の心の中でも「内と外の統合」、「男性性と女性性の統合」というのはあるように思いました』

 

立花  『なるほど、そのような感想は今回はじめてお聞きし、新鮮に感じました。シリーズ2にも3にも登場されているドイルさんだからこそ語れる内容だったのでしょうね。そして浅野さんからお聞きしたことでは、日本の役割、そして審神者に関するお話も印象深かったです。それぞれの見地からのご感想を、どうもありがとうございました』

 

 

【目次】へ戻る