地中の5次元世界 レムリアの探訪
(「天地の対話」シリーズ2『アションションからリセット・リスタートへ <天地の対話>による10年間の挑戦』からの抜粋)
令和が始まった瞬間に躍り出た<新しい地球>とはどのようなものかについては、それまで地球の地下空間(第1層の魂の部分)にあった5次元世界〈レムリア〉が躍り出たということでした。ですから、そこを探訪した時のビジョンを抜粋して、皆さんに<新しい地球>に移行した時のイメージの参考にしていただければと思います。
1.地中の5次元世界 レムリア
(※地球の魂としての理想郷がシャンバラと呼ばれているが、その中にあるレムリアが霊媒の魂の故郷であったため、以下のような探訪が始まった)
2017年3月7 日
地球内部にあるレムリアの人たちがいるところに行ってみる。小高い丘に、芝生のようにきれいに緑が生い茂っている。そこに恐竜の像が置いてある。チョンと触ってみると、ガラガラと崩れてしまい「どうしよう~!」と思っていたら、『ワハッハッハ~!』と笑い声が聞こえる。丘の影に隠れていた人たちが出てきて、私を取り囲む。どうも、ドッキリ形式で、遊ばれた模様。
その人たちの見た目は、トカゲ人間だったり、カエル人間だったりさまざまだが、普通の人にも見えるし、龍などにも変身できるようだ。その中の一人の姉御肌の人が、案内をしてくれるという。それは、もう一人の〈私〉という感じ。レムリアのアダマさんを、もっと若く活発にしたような人。
「ここはどこ?」
『地球の中の5次元の世界よ。あなたがレムリアと呼んでいるところね』
「アダマさんもいるの?」(※『レムリアの真実』(太陽出版)の中で、レムリアの霊的指導者として登場する)
『いるわよ。後であいさつに行きましょ』
周りに100人くらいの人たちが集まってきている。珍しい客が来たという感じ。その人たちの間をすりぬけて、どこかに進みながら話している。
「みんな、トカゲ人間なの?」
『みんなじゃないわよ。ここはたまたまあなたのルーツに近いところに来たからそうなのであって、他の地域では異星人もいるわ。というか地球は宇宙からのDNAをもらったし、宇宙人が多く受肉してきたという話があったでしょ?
だから人間としての姿はあっても、そのルーツが5次元では少し透けてみえるの。だからみんないろいろで、面白いわよ。オーラもルーツによって結構違いがあってね。でも違うからってケンカもしないけどね。同じ銀河系の住人として、仲良くやっているのよ』
「混血もあるの?」
『もちろん。地上でも、アメリカ人と日本人で結婚するじゃない? その程度の差に感じるわね、異星人というのは』
「そうなんだ。言葉はテレパシーで話すの?」
『そうよ。あと、オーラで気持ちを表現したりもするわね』
「男女は分かれてるの?」
『分かれてるよ。5次元といっても、陰陽の法則の中にはあるわね。それでエネルギーを生み出してるの』
「ところで、あなたの名前は?」
『知らないの? もう呼ばれていると思っていたけど』
「ナディアとしか浮かばない。南の島にいそうな小麦色の肌で、そのイメージがアニメと重なって」
『それでいいのよ! あなたがナディアと心の中で呼んでいたから、じゃあそれにしようと思ったの』
「そんなもんなの? 名前って」
『イメージした映像が、そのままこちらに伝わってくるの。だから誰かのことを思い浮かべたら、その人だともう分かるでしょう? ビジョンも含めて会話しているから、いちいち名前を使わないことが多いわよ。一応あるけど、何でもいいやってところもあるから』
「そう…。(話しながら、ずっと歩き続けている)ところで、私たちはどこに向かってるの?」
『アダマさんのところでしょ?』
「そうなんだ。(森がみえてきて、鳥の声が聞こえてくる)鳥もいるんだね」
『いるよ。空を見て』
見上げると、何十羽かの鳥が空に模様を描くように飛んでいる。描いているのは、大きな円が二つ、隣り合わせに並んだもの(〇〇)。
「あんなことってある?」
『鳥もメッセージをくれるのよ。私たちの会話が聞こえているの』
「あれは何のメッセージ?」
『内と外のパラダイムシフトの謎を解明しに来たんだろ? その旅はもうはじまった。いい旅になるよう応援しているよ、だって』
「鳥がそこまで言うかな・・・」
『鳥は賢いわよ。いつも世界を俯瞰して見てる。私たちも鳥の目になって世界を見ることがあるでしょ。それができるのは、鳥がいるおかげなの。こんなやり方もあるよ、という神からのヒントなのよ』
「鳥にも意識があって、話してくるってこと?」
『自然神が動植物の意識を束ねているわ。多くは集合意識として、その群ごとに意識をもっているけれど、鳥や木など、その中でも進化した種は個別に話すこともできるわよ』
「じゃあ、木とも話してみたいな」
『いいわよ。ちょうど森に入ったわね。面白いでしょう? ちょうどやってくるのよ、いろんなことが。意識が通じ合っているの。ところで、どの木と話がしたい?』
木に顔が描いてある木が20~30メートル先に見える。大木で、長老という感じの木。
「長老さん、こんにちは」
『(長老)やぁ、よく来たね。珍しいな、地上からのお客さんとはねえ』
「あまり来ないですか?」
『受け入れ許可が下りたのが、わしにはつい最近のように感じるが…』
『(ナディア)長老さんにとってはつい最近よ。地上時間でいうといつになるかしら』
「アセンション情報が出始めたくらい?」
『そうね。それまでは、ここはうまくベールで隠されていたの』
「どういうこと?」
『地上からのエネルギーの浸食を受けないようになっているの、ここは。地上がどんなに暗黒世界になっても、平和なのよ。この頃になって少し情報公開はしたけど、まだ誰でも来られるようにはなっていないの』
「なぜ?」
『違うサークルの中なの。鳥たちが描いてくれたでしょ? 〈〇〇〉となっているのよ、今はまだ。右が地上、左が地下というふうに、分かれているの。セス・メッセージにあったように、純粋な5次元世界を残すために、地下に当初のひな形を埋めておいた、という感じね。〇〇が∞になると、地上と地下は連動しはじめるの。リセットの時までにはそうなるわ。イメージの問題なんだけど、とにかくこれまでは連動せずに、それぞれでやってきたというわけ』
「なんか、複雑なのね。(森に木漏れ日が差し込んでいる)晴れていてよかった。雨も降る?」
『降らせてみようか?』
ナディアは両手を広げて目をつぶっている。心の中で雨を呼んでいるようだ。わりとすぐにポツポツと降って来る。「天気雨程度にして!」と私がいうと、『OK~』という顔をした。長老さんが『わしのところは多めでよろしく』というと、長老さんのまわりだけ、多く降って来る。
『(長老)あ~、気持ちいいなぁ。雨は最高!』
「長老さんも自分で雨を降らせたりするんですか?」
『いや、わしは受け身さ。この森を管理している人々が降らせてくれる。もちろん、わたしから要望を出すこともあるけどな』
「長老さんは、いつも何をしているんですか?」
『わしらは、ただ立っているだけではないよ。すべてをあるがままに受け止める、そして天と地のどちらにも伸びている。それを皆が見て学ぶ。わしらはとても大切な、自然という教師なんだ。そうやって敬われ、慕われ、木陰を求めて集まって来る人々に、わしらは焦らず地に足をつけて生きることを語る。そしてお互いに心が通い合う喜びを味わっているんだ』
「穏やかな日々ですね」
『そう。こんなにも穏やかだと、心地よくてな。まなざしもやさしくなってしまうんだよ』
「確かに、七福神のような垂れ目で、しわも深いけど、やさしいおじいさんだなあという感じです」
『またいつでもおいで。ゆっくり語り合おう。時間はたっぷりあるんだから』
「はい、ありがとうございます。私まで穏やかな気持ちになったよ、ナディア」
『そう、そんな気持ちになりたい時に、木と話すんだよ。ここでは無駄なものは一つもないの。みんな何かしらの表現で、世界を輝かせているの。本当は地上もそうなんだけどね。自然とのつながりが切れたから、感じられなくなっただけ。“ミミズだって、オケラだって、アメンボだって~♪ みんなみんな生きているんだ、友達なんだ~♪”の世界なんだから』
「そういう歌も知ってるんだぁ」
『だって、あなたの中に今流れたから拾ったのよ』
「そ、そうなんだ。もうスケスケなのね?」
『思考やビジョンに対して無防備だから、全部放送されているわね』
「どうしよう。普通は見えないようにしている?」
『人によるけど、私はわりとあっけらかんタイプだから、気にしないわ』
「出さない人もいるんだね」
『いろんな個性があるから、シャイな人ももちろんいる。イメージでの話だけど、帽子をかぶって、それにダダ漏れ防止フィルターをつければ、外にはもれないよ(笑)』
「なるほど、そういう工夫ね。でも私は隠すより、そうやって受け取ってもらった方がいいからオープンにしておくよ」
『自分がオープンだと、相手もオープンになるの。長老がすぐに話してくれたのも、そのためよ。もし敵意をもって近づいていたら、シーンとしてシャットダウンだったでしょうね』
「長くなったので今日はこの辺で。また明日、ここから始めればいいの?」
『やってみて。何でも自分で確かめなくちゃ』
2017年3 月11日
※朝、何もしていないのに涙があふれてくる。愛が中からわき上がってくるような感じで、とても穏やかな気分。地下の探索で、魂の故郷に戻ってきたからだと思う。
ナディアと再び会い、森の中を少し進む。すると、下草に足がひっかかって、少し切れてしまった。ちょうど小川が流れていたので、その水で洗うことにする。ナディアは小枝をうまく組み立てて、椅子を作ってくれたので、私はそれに座る。
『こうして足止めがあるということは、ゆっくり行きなさい、という合図ね。さ、足を見せて』
彼女は川の水で足を洗ってくれる。そしてヒーリングをするように、足に手をあてて目をつぶった。
『あなたは遠くを見る癖があるので、まず足元を見なさいって。〈今、ここ〉ってことね』
「それは誰からのメッセージ?」
『足!』
「足とも話すの?」
『ウフフ(笑)。足を通してあなたの無意識の声を聴いたのよ。さ、治ったわ』
見てみると、足はすっかりよくなっている。見た目もキラキラとして、今までと違う新鮮な足を見ているような気になる。
「ありがとう。足があったんだね、私。今まであんまり意識してなかった」
『これまでは、無意識的に空を飛んで移動していたんでしょう?』
「分かる?」
『今は一歩ずつ進むことで、いろんな体験をすることができるの。これまで取りこぼしてきた人間としての感情を、豊かにしていく意味合いもあるのよ。それには足が必要なのね。一歩ずつよ』
私たちはのんびり進むことにした。椅子に座って、小川のせせらぎの音を聞いている。川にそって森の木が開けているので、光が多く入って来て、川面がキラキラとゆらめいている。時間がとてもゆっくり進むような気がする。
「ここは、時間はあるの?」
『自分がゆったりしているとゆったり進むし、早く行きたければ早くもできる』
「じゃあ、待ち合わせとかどうするの?」
『相手の意識にアクセスすれば、もうすぐ来るなと感じるでしょ。そしたらちょうど会えるの。時間で待ち合わせたりはしないのよ』
「それなら、携帯とかはいらないんだね」
『携帯の機能を自分の中に全部持っているって感じね。テレパシーで電話し、地図も鳥の目に意識を向けて俯瞰することで、今現在の自分の場所をとらえられる。写真だって撮れるわよ。見たビジョンを覚えておいて、頭の中に保存しておけばいいんだから』
「小さい頃から、いきなりそういう全部の能力があるの?」
『徐々に開花していくのよ。学校でも実習がある。基礎は皆もっていても、自分の特性が何かに強く出るの。それを生かして他に貢献するのよ』
「そこは地球と同じなんだね。ナディアはどんな特性があるの?」
『私はヒーラーなの』
「あぁ、それでさっき、足の時・・・」
『私が対処できる範囲で必要なことが起こったのよ』
「私はこれまで、エネルギーをそれほど感じなかったのね。でも今日は、それが感じる気がしたんだけど、何か関係ある?」
『ヒーラーって、エネルギーを扱うの。それに共鳴したところはあるでしょうね』
「そうなんだね」
『あと、自分の心の三層を見るようになったでしょ。これまでは感情の扉を閉めていたけど、今はそれがオープンになったということなの。そうすると、エネルギーが自分の中を通り抜けられるようになった、ということもあるわね』
「なるほどね。これまでは、天から降り注いでくるエネルギーで生きていたんだけど、今日からは地からわきあがってくるエネルギーも合わさったな、という感じがした」
※休憩。(現実で夕食を食べたあと)
気付いたら夜になっていた。ナディアがたき火を起こしてくれて、それで暖を取る。「寒いなぁ」と私が言うと、ナディアは私たちを包む大きな半円の、風よけシールドのようなものを想念で出してくれた。薄いエーテル製のドームの中にいる感じ。
「なんか、これだと息ができなさそうで苦しい」というと『それは思い込みなんだけどなぁ』と言いながら、今度はちゃんとした家を創ってくれる。家の中にベッドや暖炉がポンポンと現れる。六角形の20畳ほどのワンルームになった。
『この暖炉は、さっきのたき火ね。そう見えるようにしただけなのよ。1泊だし、簡易的でいいでしょ?』
「ほんとの家はどんな感じなの?」
『今はテントのように、薄い想念の幕でイメージを形作っているんだけど、ずっと住む家はもう少し時間をかけて、数人の想念で創り上げるのよ』
「そうなんだぁ。なんだか、楽しい生活ができそうだね。3次元と違って、もろもろが快適。みんな5次元に来たいって言うだろうなぁ。何か5次元のデメリットとかはないの?」
『次元って、波動(振動)の違いでしょ? 自分の波動に合っていないところに行くと、居心地が悪くて苦しくなると思う。だから3次元世界の波動が好きで、そこにまだ居たい人にとっては、ここはただの荒涼とした土地に見えるだろうし、間違って入ってきても目が回るだけで、何の喜びもないと思うよ。自分がいたいところ、波動が合う世界こそピタッとくるんじゃないかしら』
「あ~、そうなんだね。次元に関しては全然知らないの。また教えてね。今日はもう眠くなってきて・・・。こっちのベッド使っていい?」
『うん、ゆっくり休んで』
「ありがとう。おやすみなさい」
2017年3月12日
朝。部屋の中にやわらかい光が差し込んで来る。壁はある程度透けているので、適度に光を通す。その透明度を調整して、中の明るさ調整や、色味調整までもできるようだ。
「電気ってあるの?」
『電気はないけど、それに代わるエネルギーはあるよ。太陽エネルギーをためておくこともできる。ほんの少しのエネルギーがあれば、それを増幅できる。ゼロから作り出すというより、あるものを生かしたり、増やしたり、組み合わせたりして、身の回りの環境を創っていくのよ』
「自給自足?」
『そうね。一つのコミュニティー(村)で助け合って、その中でやりくりするという感じね』
「ナディアの村もあるの?」
『あるわよ。行ってみる?』
「いいの? 行きたい。何人くらいの村?」
『30人くらかな』
「少ないんだね」
『あまり多いとそれぞれの個性が薄まるので、顔の見える範囲でひとまずチームを作っている、という感じかな。5次元は個とワンネスの両方を、ちょうどいい具合に楽しめるところよ』
「そこでの学びって何なの?」
『神の叡智に近づいていく、深い愛を知っていく。それは3次元と同じだけど、そのやり方と環境が違うの。苦しみを通してではなく、楽しさや喜びを通してという感じかしら』
「みんなそれぞれ、学びの深さって違うの?」
『もちろん。3次元から来たばかりの人と、もう5次元を出て行く人では、ずいぶんと徳の深さは違う。個が持っている学びのテーマもそれぞれだから、精神性が均一ということではないわよ。
5次元のはじめは、ネイティブアメリカンの人々のような感じね。彼らはそのような在り方を、3次元の人に教えていたの。まったく違う世界がいきなり開けると、みなびっくりするでしょう? だから今の3次元にも、5次元の世界のヒントはすでにあるの。あちらを目指せばいいんだなと分かるように、あらかじめ模範としてセットされているのよ。
あなた方の世界での良識と愛にあふれたモデルとなる人々の暮らしや生き方が、こちらに来たときのはじまりだから。うまくつながりがあるようになっているでしょう? 少し先は、常に提示されているということなの』
「なるほど。<経済における友愛>が当たり前の世界なのね」
『そう。分かち合いはベース。人に何かを施すと、それが自分に返って来るという循環が目に見えて分かるわよ。だってつながっているんだからね!』
2017年3月13日
寝泊りしていた簡易的な家を出る。ナディアはその家に手をかざして、左右に動かしている。まるで黒板消しで想念を消しているかのよう。家は光の粒にパッとはじけ、空中に散らばって消えていった。
「消すこともできるんだね」
『元に戻しただけ。後片付けはちゃんとしなきゃね。しばらくは情報として気配が残るけど、この程度の想念形成物は分解も早いの』
「そうなんだ。ゴミが出なくていいね。地上では、外国でもゴミの山が処理しきれないみたいだし、日本では原発の汚染水をずっとタンクにためていると、今日のニュースでやっていたよ」
『循環を学ばなきゃね。今が良ければ…と問題を先送りにすると、ゴミの山となるから。このままでは戦争が起こらなくても、環境がもたないわね。環境が悪化すると、心の荒廃も早くなるし、少ない資源を奪い合って結局は争いになるの。
天とのつながりは、どの次元においても重要よ。ここでも天とのつながりよりも、個の欲望の方が強くなったとしたら、一気に荒廃していくでしょうね。でもそんな誘惑があっても、私たちは選択の自由があるから、大いなるものと一体化する道は常に開かれている。
そういう意味では、3次元は最も冒険ができる、そしてハードル(難易度)も高いところなのよ。失敗は織り込み済み。だから“また失敗しちゃった”と頭をかきながら天に戻っても、“もう、これで何度目? 懲りないなあ”って言われるくらいよ』
「そうなんだね」
『だから自分も含めて、悪と失敗を全部許容することね。それが自分たちの実力だったんだから』
「うん、分かった。このごろテレビで悪い人が出てきても、それも自分なんだな、としみじみ確認してる」
『ワンネスというと、光に包まれた至福の中にいるようなイメージで、美しい世界と私は同じで、「私は完璧な存在」という印象をもってしまいがちよね。まったく闇を否定するというか。でも本当は光だけでなく、闇も自分なんだから』
「5次元の地球は、もっと光に満ちた世界かと思っていた。光と闇が一体だとかいうのは、7次元以上の<リセット>に向かうイメージがあったから」
『仮に光だけ見ていたとしても、自分の振動数をあげることで、5次元に行ける人は多くいるわ。個人のシフトの話ではなく、地球意識全体のシフトアップに関しては、全体システムの理解が不可欠なの。また進むごとに分かって来ると思うわ』
2017年3月14日
『じゃ、うちに行きましょうか』とナディアは言って、目をつぶった。すると周りの景色がくるくるっと高速回転して、あっという間に家につく。
「ワープしたの?」
『家に戻るのは簡単なの。家と自分の座標軸を合わせれば、ヒュッといけるのよ』
「それだと、迷子にならなくて便利だね(笑)」
ナディアの家は、日本のよくある近代住宅に最初は見えたが、幻のように変化していく。白いドーム型のシンプルな形に変わったかと思うと、その後は曲線が多い不思議な流体型に変わったりする。
「ぜんぜん分からない。家の形は固定化しないの?」
『それでいいのよ。あなたの3次元の目(思考)で、この世界を正確にとらえるのは難しいのよ。だから見えるものを細かに描写しようとしなくていいの。そう見えるのは、あなたの思考の中にあるストックから、それに近いものがビジョン化されているんだと思って』
「なるほど。じゃあどう見えるかじゃなくて、やはり対話していく流れだね」
『そう。また少し気楽になったでしょ?』
「うん、アセンション後の5次元の世界を紹介していると思わなくてもいいんだね」
『ここはひな型というのかな、核としてあるの。だからベースはこんな感じ、というくらいに思って。感覚としては、5次元の天界に近いんじゃないかしら』
「あ、そういうこと? 早く言ってよぉ」
『あなたの頭の要領が小さくて、少しずつしか情報が入らないんだもん(笑)』
「ひどーい!」
『でもまあ、あなたの魂がリセット・リスタートの時に歩む道を、今はリハーサルしているということでもあるの。前は蓮さん経由で行ったでしょ?(※それまで受動的にメッセージを受信している霊媒を、別人格として蓮さんと呼んでいた)それは外経由のビジョンで、今は内経由のルートだから。外と内は一体だけど、一方ずつ体験した方が面白いのよ』
「そう・・・。へぇ〜、という感じ」
『まぁ、一歩ずつ行きましょ。浅野さんからもそう指示を受けているから』
ナディアはいつの間にか、ワイヤレスのインカム(無線)をつけている。
「そ、それで浅野さんの声が聞こえるんだね」
『そうよ。私たちは連絡を取りあっているのよ。あなたにヨロシクって』
「え〜、私も話してみたい」
『いいわよ』
ナディアは私にそれをつけてくれる。電話を通したときのような声で、浅野さんが話す。
『清華さん、そちらの居心地はいかがですか?』
「なんだか、地下って、暗くてじめじめした世界かなと思ったんですけど、今のところ快適です」
『ナディアは私の娘のようなものですので、何でも頼ってくださいね』
「はい。またこれで話しかけてもいいんですか?」
『困った時にはいつでもヘルプをしてください』
「ありがとうございます。では失礼します」
私はインカムを頭から外してナディアに渡す。
「ありがとう。なんだか不思議だった。でもやはりつながっているんだね。安心した。ところでごめん、ぜんぜん家に入らなくて」(私たちは家の前でずっと立ち話だった)
『ほんとに。中では家族がお待ちかねよ。さ、どうぞ』
と、ナディアは玄関を開けてくれる。するとすぐに、エプロンをつけたお母さんが抱き着いてくる。
母 『待ってたわぁ〜。よく来たわね! 私たちもあなたの目を通して、地上を見ていたから何でも知っているのよ。今日はゆっくりしていって。ごちそうも作っているから!』
そう言われ、リビングに案内される。もうすでに料理がテーブルに並べられていて、お花もきれいに飾られている。お父さんや弟さんも奥から出てきて、ハグをする。私たちはさっそく食事をすることにした。木の実や豆やサラダ、フルーツがメインの食事。
「お肉などは、食べないんですか?」
母 『私たちは生き物を殺さないわね。自然のものを分けてもらっていただくの。でも食べ物を通してエネルギーを得るというのが、唯一の方法でないことも知っているわ。生命エネルギーは空気中から直接チャクラを通して、常に得ているの』
「ということは、毎日は食べないということですか?」
母 『そうね。何かのお祝いの時は、楽しい時間の演出として食べるけれど、食べなくても平気なのよ』
お母さんは、おおらかで明るいので、何も聞かなくても話してくれる。しかしお父さんは寡黙で少し控えめな性格の様子。声をかけてみる。
「お父さんは、何かお仕事などをされているんですか?」
父 『私かね。私はバイオリン弾きなんだ。ここでの仕事というのは、お金を稼ぐとか社会的な地位のためとか、そういう目的はなくてね。神のすばらしさをそれぞれの才能で表現することが、仕事なんだ。使命というかな、喜びというか』
「魂のリビドーですか?」
父 『そう、そう。私は宇宙からのインスピレーションを受けて、それを音楽にのせて表現するのが才能だったんだな。まぁ、好きだっただけだな(笑)。ご要望とあらば、ホームコンサートもできるんだが・・・』
2017年3月21日
久しぶりに地下探索のビジョンに戻ったが、ホームコンサートはまだ続いていた。家の壁が透明になり、その地域全体に音が広がっている。近所の人々や、山に住む動物たちまでも集まってきて、皆で聞いている。
すると、音符の形をした空飛ぶじゅうたんに、私たち全員は乗っていた。音楽と共にそれは空に舞い上がり、いろいろなところを巡った後、気づけば周りの景色は宇宙になっている。本当に宇宙に来たのか、想念で周りの景色ができているのか、それとも霊体だけが宇宙に行ったのかなどは不明だが、家での小さなコンサートは、いつの間にか宇宙にまでその音が響き渡っているという感じがあった。
それからも演奏だけでなく、皆で歌ったり、踊ったりと楽しい夜を過ごす。あまりに幸せで涙が浮かぶほどで、私はくるくると回って踊りながら、いつの間にか眠っていたようだ。気づけば朝になっている。朝日が顔に差し込んで来る窓辺のベッドで目が覚めた。起きて部屋を出ると、お母さんが朝ごはんを出してくれる。
『どう? よく眠れた?』
「はい」
『リフレッシュは大切よ。またいつでも遊びにいらっしゃいね。さ、今日はアダマさんのところに行くんでしょ。たくさん食べて!』
「ありがとうございます。お母さんはアダマさんをご存知ですか?」
『もちろん』
「どんな方ですか?」
『性格のこと? 賢明、聡明。外交向きなの。ちゃんと説明できる人だから、いろいろ聞くといいわ。彼女は言語化して伝えられるから、あなた方にはぴったりね。こちらにいると、いちいち言語化するよりも、直観的になってくるの。私は久しく、こうして言葉としてのおしゃべりはしていなかったから、今は楽しくて仕方ないのよ』
「そうなんですね。ところで、今ふと思ったんですが、ここでは死はあるんですか?」
『死? あぁ、霊化のことね。次のステージの霊体に変化していくことはできるわよ。でもあなたが思うより、ずっとゆっくりのペースね』
「お母さんは、レムリア文明の滅亡から、ずっとここにいるんですか?」
『そう。あっという間だったわ』
「そうなんですか?」
『毎日、楽しいんだもの。昨日動物たちが音楽を聴きに来ていたでしょう? 私は森の動物たちと心を通わせて話をするのが好きだから、いつも彼らにいろんな話を聞いてケラケラ笑っていたら、いつの間にか今日になっていた、という感じなの。
地上で絶滅した種は、こちらに来るのよ。彼らは地上でどんなことが起こっていたかなど、とても興味深い話をしてくれるの。動物から見たストーリーは、ある意味一つの神の目でもあるでしょう? こちらに来た動物たちの数は、もう飽和状態よ。それは合図でもあるの。まもなく私たちと一緒に地上に行くということね』
2017年3月22日
私とナディアは、家族の方々にお礼を言って別れ、アダマさんの所に向かうことにした。外に出ると、来たときよりも木々の緑が生き生きとしていて、果物もたくさん実っている。
「こんなに繁っていたっけ?」
『昨日の音楽で、みんなも活力を得たのね。植物や動物にも、音楽は大切な栄養なのよ』
「そうなんだね。緑が生きてます!って語りかけてくるみたいだね。このリンゴ、食べてもいいの?」
『木に聞いてみて』
「一つ分けてください」とその木に言うと、一つの実がブルブルっと振動した。“この実をどうぞ”と言われたようだ。その実の下に手を広げると、ポトンと落ちてくれた。
「もらえた!!」
『よかったわね。受け入れられている証よ』
季節は春と夏の間くらいで、特に今日は日差しもさんさんと降り注いでいる。少し汗ばんできて、さっぱりしたいなと思っていると、目の前に滝つぼが現れる。透明度が高い水で、“泳いでもいいよ”と言っているかのようだ。私たちはその水に飛び込む。水はあたかも意思をもっているかのように、もぐった私をぐいぐいと運んでくれる。
「水とも話せるの?」
『そう。やってみて!』
「持ち上げてくれる?」と心の中で言ってみると、下から流れがきて、私は水面に持ち上げられる。「もっと高くお願い」というと、噴水のように水が吹きあげ、私はその水のてっぺんに座るようにして、何メートルも持ち上がった。それから滑り台のように降ろしてもらったりして、しばらく遊んですごす。
「不思議だね。水とこんなに仲良くなれるんだぁ」
『あなたの意識が水にまで広がっているということよ。水は他の意識や振動に、自在に染まる性質をもつから』
その後、風で体を乾かして、滝のそばでマイナスイオンを浴びる。水が落ちる音に、鳥たちの歌声も合わさって、自然のオーケストラのように聞こえる。
「気持ちいいね」
『あなたはまだガチガチだからゆるめてくれているのね。これから自分のルーツも思い出していくのよ』
「そうなの? 今はぜんぜん思い出せない。レムリア人だったの?」
『そうよ。まぁ、おいおいよみがえってくると思うわ。向こうに山が見えるでしょ?』
「うん。あれがシャスタ山?」
『そう、あそこにアダマさんがいるから。さ、もう少し歩くわよ』
2017年3月23日
私たちは歩きはじめる。小さな崖山を登る時に、私は「よっこいしょ」と言いながら、重い体をぐいっと持ち上げるように登っていたので、ナディアがこういう。
『体は重いと思い込んでいるでしょ? 重心をもっと上にして、自分は軽いと思ってみて』
私は胸のあたりに自分の中心を置き、妖精のようにふわりと飛び上がるイメージをしてみた。すると、ヒョイヒョイと身軽に崖を登れる。
「軽くなったよ! すごいね。イメージでずいぶん違う」
『自分のイメージがこの世界を創っていくと思って。そしてそれを楽しむの』
「うん、分かった。じゃあ、光とエネルギーがどんどん空から降って来るイメージをしてもいい?」
『いいわよ!』
私はこの際、何でも試してみようと思って、目をつぶってイメージしてみる。目をあけると、光のオーブがあちこちに見え、キラキラと光る夢の世界のような景色になる。
そしていつの間にか前方に翡翠(ひすい)の神殿のようなものまで建っている。メルヘンの世界に迷い込んだような気分だが、入ってみることにする。
「これは幻影なの?」
『イメージした光の世界に入ったのよ。ちょうどいいから、ここで少し休みましょ』
中は少しひんやりとしている。床も壁も、磨き上げられた光沢のあるエメラルドでできていて、中は広い空間になっている。中央に椅子が一つ置いてあり、ナディアはその椅子に座るようにと言った。
その神殿はエネルギー的にはピラミッドと同じようだ。上向きの四面体と、下向きの四面体がちょうど重なっていて、その立体のエネルギーがうっすらと見える。それらのエネルギーのちょうど真ん中にあたる部分に椅子が置いてある。私はその椅子に座った。上を見上げると宇宙が広がっている。足元はどうかなとのぞき込むと、下も宇宙だ。
ナディアは、座っている私の前後左右10メートルほど離れたところにある、四つのたいまつに火をつけた。その火には、それぞれ独特な色があり、目までついている。どうも火も生きているらしい。私は正面の火に手を振ってみた。すると、ボーっと燃え上がり、応えてくれた。
(いよいよこの後でアダマさんとの会見が始まり、<リセット・リスタート>の秘密が明かされていきますが、興味のある方は原本をご覧ください)