アストラル界と精神界についての認識の違い(葦原瑞穂さんとの対話からの抜粋)
※葦原瑞穂(あしはらみずほ 2001年に出版された『黎明』(太陽出版)は精神世界の良書として多くの支持を得ている。2012年にアセンションがなされなかった後、2016年10月2日に交通事故で他界している)
1.「黎明」の中での定義との違い
2020年9月14日
「今『黎明』を読んでいるところで、〈幽界生活の間のアストラル体とメンタル体〉という言葉が出てきました。私たちは、アストラル体はアストラル界を、メンタル体は精神界を生きる間のボディーと言われてきましたが、改めて葦原さんが理解しておられた定義を説明していただけますでしょうか」
※葦原瑞穂さん
『メンタル体とは、解脱前の第1層のことを言い、コーザル体とは解脱後の第1層のことを言います。〈内的世界〉の三層円をより細かく説明するならば、解脱前は意識的自我(肉体)→無意識的自我(アストラル体)→霊的自我(メンタル体)となりますが、すでに〈4次元の直日〉をつかんで解脱している場合は、第1層の霊的自我はコーザル体と呼ばれる、豊富な輪廻経験や宇宙意識ともつながった第1層になるということです。
私の本の中で「幽界生活の間のアストラル体とメンタル体」と書いたのは、以前みなさんのメッセージの中で「精神界では何を浄化するか」という問いに、「解脱した魂にとっては、アストラル界で感情に加えてその根底にあった観念も見てしまい、次の精神界では集合的観念を見ていく」という回答があったのと同じように、「解脱した魂にとっては、アストラル界でアストラル体とメンタル体を浄化する」ということを想定していました』
2,アストラル界と精神界についての認識の違い
2020年9月16日
※対話記録
「アセンションを目指していた方々にとっては、アストラル界の把握がどうも私たちよりもポジティブに捉えている節があるが、それはアストラル界とメンタル界(精神界)の境界が、漠然としていたためではないだろうか。
特にプレアデスやシリウス系の方々は、地球と共に人間も自然に次元上昇していくと思っていて、〈地球の特殊構造〉としてのアストラル界や精神界などは、しっかり認識していなかったのではないだろうかとも思われる。
こちらのアストラル界の定義は、どのようなものであれ個人的な感情や欲望を浄化するところであり、それを全部浄化した後に精神界に進むことになる。アストラル界上層の〈人のため〉は、結局はまだ自己満足のためのものだが、精神界では類魂として他者のために奉仕しながら、個人的・集合観念をクリアしていく段階に入る。
そのように、アストラル界と精神界の機能は明らかに違い、その二段階をクリアして、やっと解脱ポイントに達して、天界(5次元)の〈思念の現実化〉の段階に進めるようになる。
しかしアセンションを目指す方々は、その辺が一緒くたになっているので、アストラル界とつながった〈引き寄せの術〉であっても、5次元の〈思念が現実化〉のように思って、自分の霊的レベルは上がっている、と思ってしまっている人が多いのではないだろうか。そのような人々が、結局はどんどんアストラル界に引きまれていったのではないかと思われる。
また、アストラル界を外在的なものと認識せずに、自分の想念が作り出した世界と考えていれば、ポジティブなことだけ考えればいいという論理になる。しかし、自分では気付かないまま、無意識層に抑圧しているネガティブな感情が、結局はアストラル界の霊を呼び寄せてしまうということについては、どのようにお考えだったのだろうか」
2020年9月17日
※葦原瑞穂さん
『確かにアセンションを目指す私たちは、アストラル界と精神界をグラデーションのように捉えていて、明確な境界があるという階層意識が希薄でした。またそれは自分の想念が作っているものなので、自分次第で良質なバイブレーションに変えられるものだ、と捉えているところがありました。
これは、私の情報源がシリウス系だったためであり、〈地球の特殊性〉によるシステムの複雑さを、十分認識していなかったことによるものでした。5次元の宇宙から霊視しても、地球の階層というのは見えにくい構造になっているようです。ですから、その辺は「おそらく自分たちの星と同じ構造であろう」と推測して、説明がなされていたのだと思います。
アセンションに関するシリウスの役割は、科学的見地を含めた現実的な叡智の説明をすることによって、一人ひとりの覚醒を促すことにありました。それに対して、プレアデスというのは精神的側面からの鼓舞、愛による感化、エネルギー供給などが役割であったろうと思います。シリウスは、レムリアとプレアデスの中間で、どちらのスタンスも尊重しながら、自分たちの役割を黙々と果たすところがありました。
私自身はかなり前から地球での転生を繰り返し、すでに解脱していましたので、今回は奉仕をするために地上でのメッセンジャーを担っていました。40歳を超えた頃から明確に霊的覚醒をしたため、その年齢まで自我を育てた上での使命遂行となりました。そのような背景があったために、『黎明』を一人で15年かけて書き上げることができたのだろう、と思います。
私の周りには、アセンションに向けて、黙々と自分の役割を果たそうとしている方々が多く見受けられました。それは自分自身の波動を上げることによって、地球のアセンションをバックアップしようとしている方々でした。
そのような方は、ヨガをはじめ、自分の体に向き合い、自然との呼吸を合わせている方々が多かったように思います。体感としてつかんでいるものがある方は、(叡智としての)理論を聞けば「なるほど」とつながりやすいようでした。
そのようなシリウス系の方は多くいたのですが、はじめは調和の中にいても、あれよあれよという間にバランスを崩してしまった方もいました。それは〈思念の現実化〉と〈引き寄せの術〉の混同から、つながり先が落ちていったことにあるようです。
それは対話でご指摘いただいたように、メンタル界(精神界)を想念と定義していたこと、またアストラル界との区別を曖昧にしたこと、さらに3次元の集合意識を想定せずに、〈個人〉のみでその想念を考えていたことが、その背景としてありました。それはシリウス側の情報提示の問題が、まずはあったかと思います。
3.つながり先が落ちていった理由
その上で、全体的にアセンションを目指す方々のつながり先が落ちていった理由は、社会的背景も大きく影響していました。まず、2000年というのは初代ゲームで育った子供たちが20歳を超えて、それぞれにパソコンを使い始めた時代でした。それまでは、本からの情報収集がメインだったところが、インターネットの力によって、表層的に解釈をされたアセンション情報が、各人の投稿によって一気に拡散しました。
同時に個々人の心(自我)の成長が落ちはじめている頃ですから、難しい本は売れなくなり、出版社は売れる本にシフトしたので、ネットで吸収するようなレベルの本ばかりが書店に並び始めました。
例えば、お手軽な〈引き寄せの術〉などは、それまで精神世界やアセンションに興味もなかった人々にまで流行りはじめました。「やればできる世代」にとっては、それは万能感を保障してくれる格好のアイテムとなり、またビジネスシーンでも使えることから、アセンションの背景などはともかくとして、一つのテクニックとして流行りはじめたということです。
そこにプレアデス系の方々の、「地球や人類のために」という情愛が強く出た、アセンションの流れも加わりました。そうすると、本来、私たちが目指していた〈魂の向上進化〉によるアセンションに加えて、いろいろな経路からの流れが入り混じって、玉石混交状態となっていったのです。
しかしどの分野でもそうですが、その中の1~2割程の人は真剣に地球のことを思って、最後まで志を貫いた方もおられたことと思います。そのような方ほど、表だったアピールはされませんから、粛々と日々を大事にしながら、祈りを込めた生活をしておられました。
それらを総合的に考えれば、アセンションを目指す方々は、人によってはアストラル界の闇を深めていった面もありましたが、一部の志のある人々は地球の波動を上げ、その後に続く〈リセット〉の最後の1秒にバトンを託せた方々もいた、と言えるのではないでしょうか。
一方、アセンションへの流れを天界があえて静観していたのは、宇宙の方々に地球の特殊性を知ってもらうためだったようです。その実体験に基づいて「宇宙の一般的な星の次元上昇とは違う、地球ならではの仕組みがあるのだ」ということは伝わり、その後、みなさんがリセットに向けて地球システムを解明していった時に、「なるほど!」と周知できたところがありました。
そのおかげで、今では宇宙泡全体にとっての唯一無二の地球であることは、共通認識となりました。それはアセンションを試みてうまくいかなかったからこそ、地球ならではの複雑な構造が5次元の星々にも認識されたのだと思います』
4.複雑で高度な3次元
2020年9月19日
「前に『アストラル界や集合意識などは、3次元での話なので低次元の解明というわけではなく、むしろ9次元のあの世の解明に匹敵するほど、複雑な地球ならではの仕組みの解明を、みなさんはしていたことになるということです』と言われていたことについて、もう少し具体的に説明していただけますでしょうか?」
※葦原瑞穂さん
『それは「この3次元というのは、複雑さからいえば実質9次元だ」という意味で、3次元のこの地球圏の解明は、実は9次元レベルの難しさを含んでいるということです。
アストラル界の本格的な解明が、(平成内でのリセットがかなわなかった)2019年5月以降に始まったのも、そこは高次元の解明の基盤が出来た上で、より繊細な意識で見ていかなければ、容易に巻き込まれてしまうほど難易度が高い部分だったからです。ですから、みなさんがアストラル界の各層を明示した〈心霊学〉をこのプロジェクトの基盤とされたことは、確かに大切なことだったと思います。
そして、19世紀半ばから20世紀にかけて、欧米を中心に主にそのアストラル界を研究していた科学者や心霊学者たちは、地上に近い低次元の解明をしていたにすぎないということではなく、今回の3次元の人類が生んだ、未知なる領域に勇敢に挑んだ高貴な魂だった、と言えるのではないでしょうか。
また集合意識に関しても、最も複雑で高度な3次元(=実質9次元)だからこそ、取り入れることができたシステムだといえます。個々の脳が言葉の獲得という、(神と同レベルの)高度な能力を備えたからこそ、集合意識も作ることができたのです。
そのような意味で、アストラル界の集合意識も、5次元の星々では到底作れない、9次元に匹敵するほどの叡智がつまった3次元だからこそ、作ることができたシステムと言えるのではないでしょうか』