ジョン・レノンとジョージ・ハリスンとの対話:個性について
1.ジョン・レノンとポール・マッカートニーの特性の違い
2023年1月21日
直子 「ビートルズは、やはりレノン・マッカートニーで成り立っていたと思いますが、それぞれの特性というのは、何だったと思いますか?」
ジョン 『ポールの特性は、メロディがひらめく(=天から降りて来る)こと。天才というのは努力とは無関係なのだなというのを、この目で見たよ。もともと音楽をたくさん聴いてきたというストックの豊富さもあるけど、それだけじゃ、あれだけ毎日ポンポンと、鶏が卵を産むスピードで曲は出てこないからね。
あと、曲をまとめて、バランスを取る力も彼にはある。僕が1フレーズをもっていくと、それを元にして他を埋めるのも早いし、センスよく仕上げてくれる。
それに、何と言っても、曲調がPОP! 明るく、爽やかで、キャッチーで、心に残るんだから、文句のつけようがない。
それに対して、僕の特性は、同じひらめき型ではあるけど、そこに抒情性がさらに乗っかるってことかな。心の声がそのまま出ているような感じで、内面のゆらぎが和音一つ一つにも現れやすい。そういう意味で、人間味があって、しかもそれはどこかダメな奴の中身(なぜならそれは僕自身のことだから/笑)、人間の持っている影がそこに見えるのかもしれないね。
クラシックで言えば、ポールはモーツァルト、僕はショパン。
炭酸で言えば、ポールはレモンスカッシュ、僕はジンジャーエール。
お茶で言えば、ポールはスッキリ爽やかな一番茶、僕は渋みも含んだ二番茶。
陰陽で言えば、ポールは陽、僕は陰。
という感じかな。まったく違う、むしろ外と内の逆向きの二人を掛け合わせたから、良かったんだと思う』
「改めて、なぜあれほどビートルズが一世を風靡したのか、<正見>してみて下さい」
『まずは、大戦後の時代が変わり始めたころで、それまでの音楽の枠組みにあてはまらない新鮮で型破りな曲調を持つグループだったこと。
そしてそれは天から降りてきた(=魂に響く)メロディでもあるので、人々の心に残り、感動を与えたこと。
また、シンガーソングライターとして、グループの中で曲を作り、レコーディングし、ジャケットも決めるというスタイルが、自分たちの個性をそのままに伝えることになったこと。
さらには、その個性のきらめきが、明暗の陰陽バランスとしての(レモンスカッシュの爽やかさと、ジンジャーエールの渋みが相まった)輝きを放ったこと。
極めつけは、ポールも僕もかっこよかったこと(笑)、が理由かなと思うよ』
2.ジョージ・ハリスンは死後どの階層にいるか?
2023年2月21日
(ある方とのやり取りで「ジョン・レノンとジョージ・ハリスン(注)は天界でセッションしているのでは?」という質問があったので、それに対する回答)(注:ビートルズのメンバーで、リードギターを担当した。2001年に肺癌と脳腫瘍のため死去)
ジョン 『そういや、ジョージには会ってないね。こっち(天界)に来ると、地上時代の感覚がごっそり抜け落ちてしまって、「あいつは不義理だ」とか「冷たいやつだ」とか言われそうだよ。(第2層の)情とか、(第3層の)社会的配慮がなくなるので、魂そのものという感じでね。変に気を使わなくていいから楽だけど、でもそれをストレートに地上に伝える時は、誤解されるだろうなと気を使う。
一番多い質問は「ヨーコに会いたいでしょう?」というものだけど、僕が「NO!」と言うと「ひどい男ね」と言われるし、次に多いのは「ジョージも亡くなったから、そっちで仲良くやってるんでしょう?」というものだけど、それにも「いや、会ってない」というと、「何で?」って顔されるから。
ジョージは精神界には居ると思うけど、まだ転生する必要があるのか、天界には来ていないんだ。天界に来るって、解脱しないと無理らしいよ。僕の場合は、「まぁ、いい曲を残したからギリギリだけど昇格!」って感じだったのかもね(笑)。でもまあ、元がよかった可能性もあるよ。スターになるというのは、そういう魂の輝きがあったから、かもしれないし(笑)。
とにかく、こっちで天界に来るメンバーを見てると、「人って分からないもんだなぁ」と思うよ。だって、地上では優秀だったり、名誉もあった人が、まったくアストラル界の低層にいたり、逆にヒトラーみたいに「え、まさか、あなたも天界に?」と思う人もいるからね。
だからジョージも地上で神についていろいろ言っていたとしても、その観念が逆に邪魔しているのかもしれないし、いちがいにアーティストはみんな5次元に来られるということでもないから、どの階層に行くかは計り知れないものがあるなと思う。本人には分かるのかもしれないけど、傍目に分かるってことはないね。因果の清算が終わってるか、ということも大事みたいだし。
とにかく、しつこくなく、爽やかに地上の観念を手放せる人のほうが、天界に来やすいというのはあると思うよ。僕みたいにバーッと音楽を作って、「じゃ、後はヨロシク」っていう死亡パターンアーティストは、案外、執着が薄かったということになるだろうからね(笑)。
でもまあ、長く生きて責任を果たすという人もいると思うし、何でもいちがいには言えないんだけど…』
3.ジョン・レノンの声の特性
2023年3月12日
直子 「ザ・ビートルズ・アンソロジー(※ビートルズ解散後に制作されたアルバム)を聞いていたら、今回はとてもジョンさんの声に魅せられています。やっぱりビートルズの中のジョンさんの声って、なかなかいいんですよね」
ジョン 『声、いいところに気付いてもらえた(笑)。そうなんだ。波の音みたいな声なんだ。しかも、砂も一緒に動いている、そのザラザラ感も混じっているし、ちょっとほろ苦さもある。
声のハーモニーって、相性があるよね。一人ずつより、この二人が合わさると絶妙、というような。ロック向きで低音が魅力のボク、ポップス向きで高音の伸びがよいポール、その融合。作曲段階のパートナーとしてだけでなく、一緒に歌う時の声の相性も抜群だったね。自然にしていても、しっくりはまったんだ。
でもビートルズ時代はそれが当たり前で、意識なんてしていなかった。それが、お互いに離れてみて(ボクはこっちに来てから)、分かったことだったと思う』
4.ジョージ・ハリスンの<中間>という個性
2023年3月12日
直子 「そうなんですよね、当時はポールのファンだったので、気づかなかったのですが、やはり、ビートルズは、このジョン・レノンの声があってのビートルズだったのだと思いました。ポールとジョンの声が正反対で、その中間がジョージの声。その3人のハーモニーが、実に美しいんですよね、今改めて聞いていると」
ジョン 『中間のジョージ、そうそう(笑)。中間て、見落とされがちなんだけど、中間こそあまりいないんだろうね(笑)。ジョージは自分の中間の良さには気づいていないんだろうなぁ。中間て、自己認識が一番難しいだろうから。結局、「自分じゃなくてもいいじゃん」なんて思っちゃうからね』
ジョージ(精神界でその声が聞こえて) 『え、中間の良さがあったの? 中途半端だと思って、自信なくしてたけど、でも確かに、あぁ、中間か!! ポールとか、ジョンみたいになりたいと思ってたけど、そこがそもそも間違っていたのかな…。中間、うーむ、なるほど』
2023年3月12日
直子 「そうなんですよね。今回の発見は、実にそこにありました。もちろん、ジョンのリードボーカルの時に、ポールとジョージでそれにハモッていると、どっちがどうなのか分からないほど調和しているのですが、時々、ジョンとジョージの区別がつかなかったものもあって、「あれ、これジョージの歌だったのか」と思ったものもありました。ジョージさんも実にいい歌を歌っていたのに、二人の間に埋もれて、気の毒だったなあと思いました。
でも、おそらく両極のポールとジョンをつなぐジョージの声があったからこそ、あの美しいハーモニーが生まれていたのだと思います」
(※ジョージは、このメールを読んで、泣きだす)
ジョージ 『二人に埋もれてしまう、そう、それがボクの不満だった。かといって、二人の実力を見せられると、「いや、私の方が」とは確かに言えないところもあって、自分の価値を見出せないようなところがあったんだ。男だからどうしても、競争心やライバル意識が出てしまうしね』
ジョン 『ボクも(笑)。そういう気持ちがあったから、お互いを刺激しあって、力以上のものが出せているところもあったよね』
ジョージ 『あ、ジョン、どこにいたんだい、ずいぶんと探してたんだ』
ジョン 『上の階で休んでたから。屋上みたいなところさ、星が見えて最高なんだ』
ジョージ 『いいね。いつもジョンは私の上にいるという感じがしていたよ』
ジョン 『そう? 人間としては、ジョージのバランスのよさ、社交性、調和精神が優っていて、それが声の中間性にもたまたま(象徴的に)現れていたけど、みんなをつないでいたのはジョージだったんじゃない?』
ジョージ 『つないでいたのは、たしかにそうだったかもしれない。(解散前の)卑屈になってしまう前は、どちらかというとバランスを意識してたし、ほどよく合わせることでそれがうまくいっているところもあった』
ジョン 『みんながジョン・レノンじゃ、うっとうしいもんね』
ジョージ 『うん(笑)。ジョンはスパイスとしての味があるから、ダシみたいなボクはあこがれだったけど…』
ジョン 『でも、ダシがないと味は決まらない。調和も取れないからね』
ジョージ 『そうか、自分で言って納得したけど、ダシか(笑)。ジャパンだな』
ジョン 『ビートルズの魅力は、アンサンブルだったんだと思う。それにジョージは不可欠だったんだ。中間のつなぎ役、味の<決め手>ではないけど、全体をつないでいるダシ(笑)。個性がどちらかの極にある人もいれば、それをつなげる中間の人もいる。
中間というのは、曖昧で日和見ということではなく、自分で作曲もでき、歌も歌え、どちらもある程度のレベルの高さを持っていたからこそ、それができるわけで…。誰でもいいわけじゃなく、実力も伴っていたから、中間になれたということじゃないかな。それがジョージの個性だったんじゃない?』
ジョージ 『中間ができるという個性。思いもしなかった。むしろそこは、自己否定ポイントでさえあったから…』
ジョン 『アーティストは、天才タイプと職人タイプがいて、ジョージは職人だったんじゃない?』
ジョージ 『そう。「技術はあります」的な…』
ジョン 『ボクは逆だったけど、でも一人でやってもそこそこだったから、やっぱ4人いてこそのビートルズで、そのメンバーがそれぞれの個性を出せてたから、うまくはまったんだろうね』
ジョージ 『個性は埋没してると思ってたけど、そういう中間的個性で見ていくと、けっこう大事な要素だったかもしれない。なんてったって、キミたちは水と油みたいな二人だから、二人だけでは折り合わなかっただろうし…。
見えにくい個性って、あるんだね。なんだか悩んでいたことに光があたって、視界が開けてきた感じ。屋上も行ってみたいね』
ジョン 『こっちの5次元では、みんなアートやってるよ。そこで再結成して皆を驚かそう(笑)。ボクは一人でライブやったら、(天界の女番長と言われている)池田晶子さんに「一人じゃ物足りない」って言われたんだ』
ジョージ 『あはは! わかる!』
ジョン 『おいっ!!(笑)』
ジョージ 『じゃあ、頑張るから待ってて』
ジョン 『OK~!』
5.ジョージ・ハリスンの人生回顧
2023年3月13日
直子 「どうせなら、ジョージさんにも天界に行って、また、ジョンとの演奏を楽しんでほしいので、最後の人生回顧をされてはいかがでしょうか?
早速ですが、解散前は卑屈になっていたというのはなぜだったのかを、振り返ってみていただけますでしょうか?」
ジョン 『わ、やったね! ジョージ、頑張れよ!』
ジョージ 『え、何、この質問システムみたいなのがあるんだね。でもって、いざ問われると、頭が空白になる。そこは考えないようにしてきたのかもしれない』
ジョン 『空白のところは、お宝があるらしいぜ!』
ジョージ 『マジで!? あれか、瞑想の次のステージに行く時の感じかな?』
ジョン 『つべこべ言わず、とにかくやれよ(笑)!』
ジョージ 『OK。えっと、あ、解散を前に卑屈になった理由・・・。まとまってないから、思いつくところから話してみるけど…。
まずはスピードが上がって、それぞれ余裕がなくなっていたから、普段だったらもっとちゃんとコミュニケーション取って進むところが、ぶしつけになってくるところがあった。「その言い方はないだろ?」というのが、すぐに思い出す自分の怒り。
次には、周りの評価。ポールとジョンがもてはやされ、「ジョージはそこまでの才能じゃない」と言われてね。「才能がない」ってことに、まずはコンプレックスを持った。
でも「自分でもできる」と思って頑張るんだけど、それが認められない。比較をすれば、レノン・マッカートニーの曲の方がよいと、周りは判断してたからね。
最初の頃は、ギターを弾くのが楽しかったから、別に作曲に力を入れてなかったんだ。でも売れて周りの評価が耳に入る度に、自分もそっちで認められたい、と思ったんだ。
その時に「いや、キミの良さは中間だ」と言われてたら、そんな無駄に張り合う気持ちはわかなかったと思う。でも、(欧米の)「自分の個性を発揮できてこそ」という風潮の中では、ますます自分が見えなくなってきて、「もっと頑張らなければ」と思っていたんだ。だから曲も作って「自分の曲も入れてほしい」と主張するようになった。
リンゴ(※ビートルズのドラマー)は、その競争には入らずに、少し大人だったんだ。彼はあとで入って来たのと、社会経験もいろいろあって、自分の実力を分かってはいたと思う。でもボクたち3人は、学生の時から組んでいて、そのまま売れてしまったから、その3人での競争意識みたいなのは、学生気分のまま持っていたところがあるんだ。
ちょっと話が膨らんだかな。要するに、二人に嫉妬したんだ。そしたら、いろいろ言われることがウザく感じ始めた。「忙しくなったから、相手の言い方の問題だ」と最初は思っていたけど、結局は自分の嫉妬心、ひがみ、自信のなさ、承認欲求があって、それで卑屈になっていったと思う』
ジョン 『その時、ボクやポールは確かに忙しくなって、そして調子にも乗って、気が大きくなっていた。さらにはドラッグとかをやり始めてると、相手への配慮なく、ズドンと言ったりするからね。それでジョージは傷ついたところもあったと思う』
ジョージ 『そうだね。もともとはみんなを尊重しあえている雰囲気が、ちゃんとあったんだよね。そういう時は、いるだけでもいい感じや、一緒にいて楽しいということがモチベーションにもなっていた。そういう心の通った信頼感がベースにあったから、あれだけのハーモニーになっていたんだと思う。息がぴったり、というのは微妙な心理的なつながりが影響するところもあるからね。奥底ではそれがあった。
でも、売れると、楽しく作るペースではやっていけなくて、どんどん「次の曲を」と催促されて。それに応えられる実力もあったから、逆にそれが疾走感にもなっていったけど』
ジョン 『そうそう、疾走し始めたころは、めちゃくちゃ楽しかったけど』
ジョージ 『でも、疾走に疲れてきた10年目は、もう絞りカスみたいになってて…』
ジョン 『あはは(笑)! それそれ。「もう、これでいいだろ?」的なカス曲も多くなっていたよね。飽きてたんだ』
ジョージ 『そう。その雰囲気がまずはあったよね。ジョンは飽きてた。しかも変な爆弾ヨーコまで連れてきて、「おいおい、そりゃないぜ」って(笑)』
ジョン 『ほんとにねぇ~。なんであんなにのめり込んじゃったのか…(笑)。「お母さん、見~つけた!」というボクちゃんが、発動しちゃったんだね』
ジョージ 『だろーね。ジョンは分かりやすいところがある(笑)。でもポールは10年たっても、ある意味真面目というか、ちゃんとやろうと思ってるから。飽きてないしね、彼だけは』
ジョン 『そうなのよ。多分、毎回インスピレーションを受けてるから、新鮮さが保ててて、飽きてるボクたちとのギャップはあったね』
ジョージ 『それよ、それ。で、求めるクオリティーを下げずに、どんどん言ってくるから、こっちは「もう、やだ!」となったんだ。嫉妬もあったけど、もう少し現実的には、疲れや飽きていたという自分も、そこにはいたんだ』
ジョン 『けっこうそれ、大きかったと思うよ。やっぱ商業ベースに乗せられると、楽しい仲間とのコラボレーションだけじゃなくなるよね。あ!! なんか、思わず懐かしさで登場しちゃってるよ!! これはジョージの人生回顧なのに(笑)。どうぞ、続けて・・・』
ジョージ 『え、続けるって、話は何だっけ…。つい雑談モードも入っちゃったよ。あ、すみません。次の質問お願いします』
2023年3月13日
直子 「いや、もう天界に行って、ジョンとおしゃべりしているのではないでしょうか? そちらでまた新たなライブを楽しんでくださいね」
ジョージ 『え、もう天界? まじで? 暗い夜空だけど…。天界って、てっきり明るい光の世界かと思ってた』
ジョン 『屋上は星が見える、って最初に言ったろ? 天国として明るいのは、アストラル界の最上層らしいぜ。あと、5次元の現象界に行くと、そこも明るいけど。とにかく光が必要なのは、地上の体験の世界。ここは、今、学びにするための内省の世界』
ジョージ 『あ、そういうこと。この内省世界、好きだね。落ち着く。ひとまずここでゆっくりくつろごう。疾走すると、ろくなことがないからね』
ジョン 『それがボクたちの学び(笑)』
直子 「ビートルズの解散については、やはり想像通りでした。ポールだけ飽きていなかった、というのが本当のところだと思います。未だにビートルズを恋しがっていますからね。おそらく彼がもっともビートルズのすばらしさを理解し楽しんでいたのでしょうね。だから、地上にしがみついてないで、早くそちらに行ってまた一緒に楽しめるといいですね。」
ジョージ 『老醜をさらす前に(笑)。そういう落とし穴って、確かにあるからね』
ジョン 『ポールは直観で受け取るんじゃない? 話しかけて「早く戻ってこい!」って言ってみようか』
ジョージ 『そうだな、それがいい。夢に出ていくのでもいいかも』
ジョン 『あ! でも、「今朝、ジョンとジョージが夢に出てきたんだ。それで曲が浮かんだ」とか言って、また張り切って曲を作っちゃうかも(笑)』
ジョージ 『それ、それ。何でも曲にしてしまう男(笑)』