憑依例2 あの世のスティーブ・ジョブズとの対話
(*長編ですので、お時間がある時にじっくりお読みください)
※スティーブ・ジョブズ(1955年~2011年、アメリカの起業家。Appleの共同創始者の一人で、パーソナルコンピューターの概念を市場に普及させ、iPodとiTunesなどによって音楽業界に変革をもたらし、携帯機器ではiPhoneおよびiPadを世に送り出して、デジタル通信産業を牽引した。2011年膵臓がんの転移のため、56歳で亡くなる)
◎人生回顧の提案
2023年7月19日朝
ジョブズ 『僕のこと調べてるね?』
蓮 「わかりますか?」
ジョブズ 『こっちで仲間と焚き火をしていたら、その中の一人が空を指さして、「おい!お前のことをずっと見ている星があるぞ」って言うもんだから。それで何だろうとこちらもじっと見てみると、僕に話しかけようとしてるな、って気づいたわけ』
蓮 「そこは<新しい世界>のアストラル界でしょうか?」
ジョブズ 『そう。すごく居心地いいよ』(素晴らしい夕日が見える、自然豊かな平原の中にいるビジョンが浮かんでいる)
蓮 「一人ではなく、数人でいるんですね?」
ジョブズ 『一人にもなれるけど、こっちではやりたいことをやっていいってことで、それで気の合う連中と集まって、原始的生活を楽しんでいた、ってわけ。土器を作ったり、焚き火をしてそれで焼いたものをワイワイ食べたり、そういう土に触れた生活は気持ちいいからね。空には風が吹いているし…』
蓮 「そちらではiPhoneは使っておられないんですか?」
ジョブズ 『あー(笑)、そういえば、そういう電子機器のない、むしろ昔ながらの環境を好んで、そこでゆっくりしてたな。なんでだろうね。ま、頑張ったし、ゆっくりしたかったのかな』
蓮 「人生回顧をして、精神界や天界にまで行く気はありませんか?」
ジョブズ 『ペースは本人に任されていると聞いたけどね』
蓮 「ジョブズさんの学びは人類のためにもなるんです。悪魔か天使か分からないという話でしたが、とても興味深い内面で、その自分をありのままに知ることは、最終的には<空>の世界にもつながっていくので、禅の方向に向かうことでもあると思います」
ジョブズ 『プレゼンうまいねー(笑)! 天からお呼びがかかったんだろうね。そろそろ本気出すところだったし、人生回顧してみようかな』
蓮 「ではまた、審神者からの質問を送りますね」
ジョブズ 『質問、好きなんだ。じゃ、よろしく!!』(契約締結、という感じで握手をする)
2023年7月19日夜
蓮 「審神者の直子さんに確認すると、ジョブズさんがまずはご自由に人生回顧をしていただければ、とのことでした。それまでに質問をまとめておくということです」
ジョブズ 『あなたは、ずいぶん疲れているんじゃない? 仕事3つを掛け持ちして、ゼェゼェ駆け込んできた人のような感じがする(笑)』
蓮 「鋭いですね。今日は会議もあったし、町内のイベントもあって、確かに駆け込んできた感じです」
ジョブズ 『それだと楽しめないよ。もっとのんびりしたらいい』
蓮 「あ、ありがとうございます。こうしてアストラル界にいる方から、最初にアドバイスをされるのは初めての展開です」
ジョブズ 『じゃあ、よかった。「君の人生回顧は平凡だった」なんて言われた日には、たまらないからね!(笑)』
蓮 「エネルギッシュですね。ジョブズさんは疲れているわけではないんですね?」
ジョブズ 『もう十分休息したし、たくさん遊んでリフレッシュもしたからね。どっちかというと、あなたたちを待っていたくらいだから。いよいよだなーと、楽しみだよ』
蓮 「そうですか。毎回、その時の流れに必要な方が、天界から‟次はこの人にアクセスを”と指定されて、私たちはつながっているんです」
ジョブズ 『うん、こっちでも、「君、そろそろお呼びがかかるから」と指導霊に言われてたんだよ。だからいろいろ事情はかいつまんで聞いてるので、話も早いってわけ』
蓮 「そうだったんですね。で、どうしましょうか、人生回顧…」
ジョブズ 『なんかねぇ~、あの時はこうで、この時はこうで…と、一つずつ確かめて人生を振り返るっていうのは、もう終わっててね。それを公開するために、もう1回いちいち最初から言うのも面倒くさい。だから端的に、僕が無意識でまだ気づいていないだろうことを質問される対話の方が、自分の性格にも合ってるように思うけど、どうだろ?』
蓮 「こういうふうにリードしてくる方も、珍しいんですよ(笑)。でも、今までにない展開でとても面白いです。直子さんに伝えますね」
ジョブズ 『何事も斬新でないとね。じゃ、よろしく!』
◎ウォーミングアップの会話
2023年7月20日
直子「昨日、質問項目を列挙していたのですが、今回は、こちらの状況説明も加えてから送りたいと思っているので、質問はもうしばらくお待ちください。でも、気の早いジョブズさんのこと、「早く何か聞いて」ということでしたら…」
ジョブズ 『確かに、「ねぇ、まだ?」と催促の電話を何回もかけてる(笑)』
直子 「では、取りあえずウォルター・アイザックソンさんが書いたジョブズさんの伝記を読まれたと思いますが、今にしてここは違っていたのではないか、ということがあったら教えて下さい」
ジョブズ 『違ったことはなかったよ。僕は人を見る目はあるからね。僕に媚びない人を選んだんだ。伝記を残しておくっていいことだよ。こっちに来て、それは指導霊に渡されるからね』
※直子さんの家でジョブズさんの話になる。彼がリアルタイムで答えているものもあったし、その後追加されたものもあるが、その質疑応答は以下の通り。
直子 「シリーズ3『新たな地球への遺言』を事前に読んでおいてもらえれば、対話の後半ではそれらに関する質問もしたいと思っています」
ジョブズ 『もう読んだよ』
直子 「でも、その辺は後半でお聞きするとして、まずは禅に惹かれていたということですが、何に惹かれていたのでしょうか?」
ジョブズ 『あちこちしていた思考が静まり、最終的には静寂の境地に至る。するとそこからアイディアが浮かび、「これだ!」というものを拾える。それはそぎ落として本質を見出す感覚に近い。“シンプル”に惹かれていたのも、そのような体験が大きいと思うよ』
直子 「禅の真髄は何だと思われましたか?」
ジョブズ 『ただ座る。そして何が起こってもありのままに』
直子 「ところでクリスアンさん(ジョブズとは未婚だが、彼にとっての第1子を出産)は「スティーブは自分のことを神だと思っていて、実際にそのように言ったこともある」ということですが、たぶん神だとも思っていたんですよね?」
ジョブズ 『そう』
直子 「それに対して、「自分はクソったれだ」と言うこともあったようですが、どちらが本心だったのでしょう?」
ジョブズ 『両方。矛盾なくどちらもそう思ってたよ』
直子 「普通は、その二つを葛藤させて、ほどほどの落としどころにしていくものですが(笑)」
ジョブズ 『だよね(笑)』
直子 「でも、アップルで目指していたのは統合ですよね。美と機能、技術と人間性、それらはかなり達成していらっしゃいましたが、自分自身の統合は実際にどの程度だったのでしょうか?(笑)」
ジョブズ 『痛いとこ突くね(笑)。そう、統合が僕のテーマだった。それを学ぶための人生だったのかもしれない。西洋と東洋という意味での統合は意識していた。実際にそれが上手くいっていたとも思うよ。そのように自分以外の統合はできるのに、自分に関してはできていなかったね』
直子 「ジョブズさんは、すでに<新しい世界>のアストラル界にいらっしゃるとのことですが、実は今、日本を中核としてこの世の<リセット・リスタート>をするために、これまで二元化されていた世界を最終的に統合して、古い世界を新しい世界へと刷新する。そのために、東洋と西洋、男性と女性、善と悪、神とクソったれ(笑)などの統合をはかっているところです。
そういう意味では、日本に惹かれていたジョブズさんもお仲間だったようで、先日BSテレビで「日本にあこがれ、日本に学ぶ スティーブ・ジョブズモノづくりの原点」という番組を見て、早速伝記の上・下巻を読み、このようにアクセスすることになった訳です。
これまで、あまりジョブズさんに関心が向かなかったのは、私が初めて買ったiMacがそれこそ「クソったれ」で、3回交換しても結局まともに機能せずに、結局Windowsに変えた、ということがあったからです。
Macは、確かに魔法のように簡単に操作できるところがあり、それに対してWindowsはいくつかの手続きが必要でしたが、それでも手堅く動くので安心して仕事に使えた、ということがありました。その辺はどう思われるでしょうか?
まあ、そのようにジョブズさんの美意識と機能性がうまくかみ合っていなかった問題もあったかと思いますが、その後のiPod(私は愛用していました、3台も!)や、iPad、iPhoneなどは、またそれとは違っていたと思うので、伝記を読んでからはMacを使ってみたくなりましたが」
ジョブズ 『天才的なんだけど、安定性がないっていうのはよく言われたし、確かにクレームも多かった(笑)。まあ最初はしょうがない。見切り発車しているところもあるからね。
でも、だんだんその後に技術が追いついて安定性も兼ね備えると、それこそ右脳と左脳の統合、直観と思考の統合がMacの中には埋め込んであるから、面白さは高まっていると思うよ。単純に機械として仕事に使うならWindowsをお勧めするけど、創造を楽しみたいならいろいろ不便でもMacへ、っていうのがウリだったから』
直子 「確かにデザイナーの子ども二人は、Macを使っているので、そういうことなんでしょうね」
◎あの世での指導霊
直子 「前置きはこの位にして、現在のネット社会の問題に入る前に、まずはジョブズさん個人についてお聞きしますね。
でも、その前に一つ確認ですが、そちらでの指導霊はどなたなのでしょうか? できれば、私たちにとっても慣れ親しんできた方にお願いしたいところですが。ジョン・レノンさんなどもいますしね(笑)」
ジョブズ 『フォン・ノイマン(天才数学者。原子爆弾やコンピューターの開発でも知られる)。共通点もあるからっていうことだった。でも僕は異議を唱えて、「できるならアーティストにしてくれ、できればジョン・レノンでお願い!」と言ったんだけどね、あえなく却下された。「その二人だと自由すぎてハチャメチャになる」ってさ。
ノイマンさんは、いたって普通に真面目。だけど僕が「ああ言えば、こう言う」で屁理屈言っても、あの頭脳だから、なんだかんだ言っても、あっちの方が論理的に正しくて、けっこうやり込められてるよ。そういう意味では、これでも素直になった方だよ。こっち来たばっかりの時は、もっと大変だった(笑)』
直子 「おお、フォン・ノイマンさん! 意外な組み合わせでしたが、確かにベストかもしれませんね。ノイマンさん、よろしくお願いします!」
◎思念の現実化か、引き寄せの術か?
直子 「では、まずは禅のお話しからということで、禅に惹かれていたのは、『あちこちしていた思考が静まり、最終的には静寂の境地に至る。するとそこからアイディアが浮かび、「これだ!」というものを拾える』とのことでしたが、それは第1層の魂につながって、<あの世の私>と対話できるようになる、という感じでしょうか。ジョブズさんの商品開発の源泉は、そこにあったのでしょうか?
そうであれば、3次元の<引き寄せの術>よりも、5次元の<思念の現実化>を使っていたことになりますよね。それが他の人には、<現実歪曲フィールド(注)>と感じられていたかもしれませんが。でも、見るべき現実を歪曲する、あるいは絶対に見ようとしない、という<暗黒面>もあったとは思いますが、その辺はいかが思われるでしょうか?」(注:ジョブズと話すと、実現困難な現実を歪ませ、容易に実行可能な気になるので、共に働く人はそれを<現実歪曲フィールド>と呼んでいた)
ジョブズ 『商品開発の源泉は、魂につながっているものが割にあったと思う。そこからヒントが浮かんでくる。そうしたらそれを形にするまで。
でも、現実歪曲フィールドについては、3次元の<引き寄せの術>も、5次元の<思念の現実化>も、どっちも使っていたと思う。いつも魂とつながってたわけではないからね。やはり波がある。
神の時は魂に、クソったれの時はやはりクソにつながる。その混在はあったね。そして、見るべき現実を歪曲して、絶対に見ようとしない暗黒面、あった、あった(笑)。都合よく自分中心のフィールドを作ってしまうところがあったね。それは強引な進め方に、特に現れていたと思う』
直子 「禅の真髄はという質問には、『ただ座る。そして何が起こってもありのままに』ということでしたが、私も<則天去私>を心がけて生きてきました。
ただ、ジョブズさんの場合は、『何が起こってもありのままに』というところと、そうではない自我を押し通すところと両方あったように思いますが、今<魂の目>で振り返ってみていかがでしょうか?」
ジョブズ 『<ありのままに>は、究極的に追いつめられればそう思えるけど、そうじゃない時はやはり自分の力で何とか乗り越えたいし、コントロールもしたいと思ってたね。その両方があったのが自分だった』
◎霊能について
2023年7月20日
直子 「自分自身の統合性についての質問には、『そう、統合が僕のテーマだった』ということなので、この対話の目標はジョブズさん自身の統合ということにも置きましょうね。
神かクソったれかという話では、『やはり波がある。神の時は魂に、クソったれの時はやはりクソにつながる。その混在はあった』というお答えでしたが、ジョブズさんの場合は、複雑に入り乱れていますよね。
でも、どっちにつながるにしろ、やはりジョブズさんは霊能者だったのでしょうか?
ご自分では、どう思われますか?」
ジョブズ 『は?この僕が? といって反発したら、ノイマンさんに「私と比べて見ろ」って脳のビジョンを見せられた。そしたらなんと、肉体脳のネットワークがノイマンさんと全然違って(笑)。
だから「いや、そりゃ、天才と比べられても困る」って言うと、「普通の人でもこうだ」っていうビジョンを出されてね。僕の脳は放射状に広がるんじゃなくて、ある幹ではちゃんとネットワークがあるのに、他の幹になると急にブツって切れてるところがあって、不規則だったんだ。
それを、幽体脳や霊体脳で補っているので、直観重視の霊能者といえるのだ、ということだった。「霊能者の定義は何か?」と聞くと、「意識的に天とつながれることだ」って言うじゃない。まあ、そりゃ、あったかもしれないね。坐禅の時間はそれだったからね』
直子 「禅の真髄の<ありのまま>については、『究極に追いつめられればそう思えるけど、そうじゃない時はやはり自分の力で何とか乗り越えたいし、コントロールもしたいと思ってたね。その両方があったのが自分だった』とのことでしたが、<ありのまま>の方に、意志をもって自分を向けよう、とはされなかったのでしょうか? もちろん、会社経営においては、コントロールも必要な場合はあると思いますが。
そう言えば、それらが併存・混在したまま、両者の間で葛藤がないとすれば、やはり、ジョブズさんも霊能者である可能性が高いですね。
蓮さんをはじめとして、対話に参加してきた霊能者の方々は、第1層の魂に意識がつながっていれば「ありのまま」で、高次元ともつながりますが、第2層の<クソったれ>になれば、支配的になり、幽界とつながって強引な<引き寄せの術>を使います。
そのように聞いて、どう思われますか?」
ジョブズ 『いや~、<ありのままに>に意志をもってというのは、相当な修行者でもなかなかできないでしょう。だって、そのありのままが分からないんだから。結局は<欲求のままに>に、なっていくんだろうね。
でもその欲求が、神とつながった欲求と、クソとつながった欲求があって、それが葛藤なく、どちらも出てくるという感じだった。霊能者ってそうなんだね。会社経営では、やはり自分の欲求でコントロールしたくなったけど』
◎<因果応報の法則>について1
直子 「で、次の大きな質問として<因果応報の法則>についてですが、禅の教えの中にこれは入っていなかったでしょうか? 因果応報は仏教の基本的な教えでもあると思いますが、それをジョブズさんはどう理解されていたでしょうか?」
ジョブズ 『因果応報は理解していなかった。もちろん、言葉は知っていたし、頭では分かっていた。だけど、カルマの意味で思っていたからな。禅の場合は、カルマというより、<今>にフォーカスされるからね。だから今に集中していることの方が重要に思えたね』
直子 「実は、3次元に働いている<因果応報の法則>というのは、今に集中しているための法則なんですよね。<善因善果、悪因悪果>、今、何か悪いこと・不本意なことが起きたとしたら、過去に何か悪いこと(=魂に反すること)をしなかったかどうか考えればいいし、今の選択に注意を払っていれば、未来を案ずることもない、という法則です。
そこから、一つ確認したかったのですが、ジョブズさんの早逝に何らかの因果応報が働いていた可能性はありますか?
例えば、指導霊のフォン・ノイマンさんも53歳で早逝されていたので、人生回顧の時に同じ質問をしてみたのですが、「原爆の開発に関わったことが、被爆してガンになるという形で因果応報が働いたのだろう」というお答えでした。
人が思いの他、早く亡くなった場合は、そのように何らかの因果応報の結果である場合と、「もうやるべきことをやったので、帰天してもよろしい」という許可が出た場合とがあるようです。ジョブズさんはどちらだと思いますか? 大事な質問なので、よくお考え下さい」
ジョブズ 『ここは頭では分かってるつもりだったけど、でも実際に答えるとなると反発がわいてきたところだった。「それは因果応報でしょ」という神と、「やるべきことはやっただろ!」というクソが両方出てきている。そしてどっちにも振れる。
まずクソの方から行こうかな。クソは、インスピレーションで浮かんだことを、自分はやっていたんだから、天から与えられたことを人類のためにやっていた。だから、それが軌道に乗った時点で「お疲れさま」ということで、帰天許可が出たんだろう。
アップルは世界的な大企業になったし、そこでうまく采配も取れたし、いい製品もできたんだから、それでいいじゃないか。何が悪い。これだけ便利な世の中になり、新しい分野を生み出し、創造力、コミュニケーションの多様性は格段に上がった。誰もが自ら発信でき、誰とでも即時的につながり、それを美しくコンパクトに携帯できる道具は他にないだろう。
それに、なぜ自分だけが因果応報を受けるんだ、おかしいだろ。その分野に関わってる人は大勢いるが、みんな死んだわけじゃない。ま、これがクソの本音』
ノイマン 『iPhoneは美しい。でもそれは結局、精神的な原爆になった。それを使いこなせる人にとっては最良のものでも、それに巻き込まれていく子どもたちにとっては、原爆でしかない。放射能汚染が見えない所で浸透しているようなものなんだ』
ジョブズ 『でもノイマンさんもパソコンの生みの親でしょう? それはどうなんだ? あの口火が切られたから、パソコンからスマホにまで広がって行った。それは必然の流れだった。僕がやらなくても誰かがやったはずだ』
ノイマン 『フロイトさんによると、私たちはその時々で「やりたいか、できるか、やるべきか」という中で、葛藤しつつ何かを選択しているらしい。私たちは「やりたいし、できること」をやった。でもそれが「やるべきか」というのは、それを受け取る人のキャパも考え合わせて、社会全体にとってどうなのか、良心に照らし合わせて本当にそれが必要なものなのかどうかを慎重に判断しなければならない。
天は何かを計画しても、地上の動向によってその計画は変えることがある。今にいることが大事というなら、その天の意向に常に注意を払っていたのかな?』
ジョブズ 『・・・』
ノイマン 『あなたの神は何と言っている?』
ジョブズ 『私の神の結論としては、確かに便利でいいものを開発した。でもシリーズ3の中の「思考力と創造性」で現在の状況を見た通りで、自我の発達レベルが落ちた子どもたちがそれを使えば…うーん、ここまでは進むんだが、ここで思考が停止する』
ノイマン 『あなたは、コロッと神を選ぶこともできる。だから死に際はスムーズだったのだろう。でも、そうなるとクソの方は分離したまま併存し続けるんだ。それを今、こうしてちゃんと葛藤して選択することで、その神とクソが統合されるということではないかな?』
ジョブズ 『あ~、統合かぁ~、苦しいもんだね。一応神の結論としてはこうかなあ。やはり自分の欲求で、作りたいものを作っていた。もっといいもの、もっと便利で、もっと手軽で、もっと美しいものをと思った。それはみんなが喜ぶだろう、新しい世界観の提示なのだ、とも思った。
でもそれが社会にどう影響を与えるかは、大きなインパクトで急速に広がるだろうとまでは読めても、それによる精神的被害や脳の発達停滞までは考えていなかった。「もっと発展すること」が当然であり、その成長スピードが速いから、慎重に考えるということはいろいろすっ飛ばされたんだ。競争心理もあった。他者に勝つには、早くリリースしなければならないからね。
そしてそういう中でこだわり抜いた、自分が愛した商品が爆発的に広まって行ったんだ。でも、それは本当の意味で、人のためにはならなかったということなのだろう。結果を見れば、それが分かる。確かに、シリーズ3でも書いてあったように、読書世代から、漫画世代になり、動画世代になって、思考力や統合力が落ちたというのは実感としてもある。だから私のガンは、それに対する因果応報の結果だったのだろう』
ノイマン 『自分の中に、矛盾なくクソと神が併存しているということでしたが、そのどちらの声をその都度選ぶかが、大事だったということです』
ジョブズ 『頭では神を選んだ方がいいなと思い、神を選んだことにしておきたいとさえ思う。でも選びきるということができず、人間なんだからどっちもあるのはしょうがないかな、とも思う。
まあ現状はこういうことで、また対話が深まる中で納得していきたい。頭では分かっているんだけど、まだ心から分かるというのが難しい、その感じかもしれない』
◎<因果応報の法則>について2
2023年7月21日
直子 「フォン・ノイマンさんの時は、とてもスムーズに因果応報を認めていただいたのですが、きっとジョブズさんの場合は、心から認めるのはなかなか難しいのではないかと思い、予め時間的な経緯を追ってみました。
そうしたら、以下のような経緯があったのですが、今ご覧になっていかがでしょうか? その折々に、<因果応報の結果>とは考えなかったでしょうか?
・1985年に自ら作った会社を追い出された時。
・その後作ったネクストやピクサスが、最初の内はうまくいかなかった時。
・1996年にアップルに戻った時には「自分のためではなく会社のため」ということで、年俸1ドルとしたが、正式なCEOになった2000年に、会社が提案したジェット機+1400万株を釣り上げて、2000万株のオプションを要求した。しかし、その直後に株価は暴落して、そのオプションの意味がなくなった時。
・そして、新たなオプションの付与を求め、2001年8月に膨大なオプションが新たに付与されたが、結局株価は低迷し続けた時。
・2003年3月に、結局オプションは放棄して7500万ドル分の株を受け取った時。
(そうなると1ドルどころか、1997年から2006年まで毎年830万ドルの報酬を受け取った計算になったとのことで、凄い金額ですよね!)
その後の癌については、以下のような経緯でした。
・2003年10月 すい臓がんが発見される。その後9カ月間は手術に抵抗。
・2004年7月 腫瘍が大きくなったことがわかり、手術を受ける。
・2005年6月12日 スタンフォード大学の卒業式におけるスピーチで初めて癌を公表。
・2007年1月10日 iPhone 発表。
・2009年3月 臓器移植、奇跡の生還。
・2010年1月27日 iPad 発表。
・2011年8月24日 CEO辞任。
・2011年10月5日 56歳で死去。
私からすれば、神は大きな愛をもって、何回もジョブズさんが<因果応報>に気付くようにと、その都度<悪果>を与えていたように思うのですが、まったく気づかなかったようですね。
「モノやお金に執着していない」と公言しながらも(そう言わなかったなら、まだしも)、最初のウォズニアックさんとの件(2人で山分けすべき利益を、一部しか渡さなかった)も含めて、実際の行動はかなり違っていたように見えますが、いかがでしょうか?
因果応報は、お金に対して見えやすく働くので、どこかで気づいていれば、ガンにまでならずに済んだかなという気もしたのですが、この経緯を見てジョブズさんはいかが思われますか?」
ジョブズ 『うーん、なんだかスルッとかわしたい気持ちがまずはわいたね。神に愛されているから因果応報がその都度働く、というのがまずは分からなかった。罰を与えてんだから、愛じゃないだろう、と思うからね。
ノイマンさんに聞くと「魂の願いに戻るために、エゴで行ったことには悪因悪果がきて、自分に向きあって反省ができるんだ」ということだった。私は魂の願いとエゴの欲求とをごちゃまぜにして、その都度、都合のいい方の論理を押し通すということをしていたから、結果で「それは違うよ」と言われていた、ということなのか…。
一応頭では分かった段階にはある。これまでも頭ではほとんど分かってきているんだ。いろいろ勉強もしたしね。でも感情的に納得できないと何か反発心がわいてきてしまってね。
「子どもの精神発達の面においてどうか」という議論だけだと思ってたけど、そうじゃなくて自分のことになると、もっと混沌としている。この時系列で並べたのが、自分のエゴで動いた悪果だったということ?
確かにわがままなところはあったし、人使いも荒いし、思い通りにならないと絶対に嫌で、頑として主張するしね。それは迷惑がられていたとは思うよ。だから人と衝突して、物別れになったり、追い出されたりということが多かった。
お金に関しては、自分ではまったく執着していないと思っていたけど、確かにちゃっかり要求してるし、自分が得するようにしてたね。そんなつもりはなかったし、お金をいくらもらっても意味がないと思っていたのに、行動としてはそうだったんだな。そこは確かに見えてなかった。
それらの、自分の思い通りに人も会社も動かそうとしていたこと、そしてお金に対する因果応報は確かにあったと思う。ゲームなんだよね、ビジネスの世界は。最初のモチベーションはピュアで、みんなを驚かせるようないいものを作りたいと思った時は、魂の願いだったとするよね。
でも、それをいざ市場に流通させるまでは、勝ち負けのゲーム心理がそこに強烈に働いていた。それに駆り立てられていたというより、それすら楽しんでいたけど、それは思い通りにコントロールできる支配欲が大いに刺激されていた、ってことだと思う。
そうなると、それが因果応報の結果として返ってきて、これだけの大波乱が起こっていたんだね(笑)。その度にクソ根性で這い上がったんだ。僕はそれをハングリー精神と呼んでいたけど、そうやって「負けないぞ!」とまた新たに立ち向かうよりも、まずは自分の行いはどうだったかを振り返れば、その時点でまた流れは変わったかもしれない、ということだね。うん、まだ腹の底までということではないけど、頭だけでなく心にも少しは入って来ている』
◎<因果応報の法則>について3
直子 「それから、私たちの対話仲間の霊能者たちは、<自己肯定・他者否定型>の人が多いのですが、ジョブズさんはいかがでしょうか?
もしそうだとしたら、いつも相手のせいにして、自分の非を認めて正そうとはしないので、それこそ<因果応報>によって認めさせるしかないんですよね。それは、本当に神の深い愛と叡智によるものだと思います。
これを心から受け入れることが、ジョブズさんが精神界、天界へと進むための要点になるのではないかと思いますが、いかがでしょうか」
ジョブズ 『いつも相手のせいにして、自分の非を認めて正そうとはしない(笑)。あれれ、それ、まったく当てはまる。だから自分がどうだったかを振り返らずに、人のせいにし続けて、起きたことを自分の因果応報の結果だとは思わなかったんだね。そういや、僕の世界に因果応報はなかったんだよ。
でも最終的にガンにまでなって、それで無意識のところでは観念する気持ちが、神の自分にはわいたんだろうね。より深い自分は、それを受け止めようと腹を括れたところがあったから。あぁ、それが<因果応報>によって、神が提示していた愛と叡智だった、ということなんだね。
ガンになって追い詰められて、自分の魂に至らざるを得ない状況になったから。そうでもしないと、クソの自分ではもうどうしようもなかったから。思い通りにならない絶望感が、「ありのままを受け止めるしかない」という、より深い魂の受容性の方にコロッと自分を変えさせたんだろうね。
因果応報だとかいろいろ分かっているわけじゃないし、自分のことを反省したわけでもないけど、自分の思い通りにはならないことだけは分かった、という状況だったんだろうね。それが死というものだから。さっきよりは、また一段理解が進んだけど、でもまだ全部ではないよ(笑)』
◎シリーズ4『現代における憑依の仕組み』の感想
直子 「子どもの精神発達への影響などについては、まずは以上をクリアした後で討議することにしましょう。ここでシリーズ4の『現代における憑依の仕組み』を読んでみてはいかがでしょうか」
ジョブズ 『えー、それは何だか嫌な気持ちがするね』
2023年7月21日
晶子 『あぁ、スティーブ・ジョブズ? 演説がプレゼンに変わった、ポジティブなヒトラーでしょ?』
ジョブズ 『ちょっと、それはないでしょ(笑)? 僕は誰も殺してないよ』
ノイマン 『それは、大霊能者としての共通点という意味です』
ジョブズ 『お互いに霊能で世界を席巻した。それは確かにそうかもしれないけど、何だかそういう括りにされるのは、雑な分類だよ』
蓮 「『現代における憑依の仕組み』の本は読まれましたね? どのような感想を持たれたでしょうか?」
ジョブズ 『憑依なんて、信じがたいなと最初は思ったね。しかも100年前の自我まるごと乗っ取られるのならまだ分かるけど、小脳からひっそりと、コバンザメのように知らないうちに憑りついているなんてね。どうかなー。でも麻原彰晃のall good-all badの人格障害は、僕にもあったけど、あそこまではひどくないからね』
ノイマン 『あなたも負けたことがないんでしょう?』
ジョブズ 『そういや、記憶としてはないんだ。一旦は負けるにしても、それはプロセスに過ぎないからね』
蓮 「でも、因果応報の法則に関しては、どうでしょうか?」
ジョブズ 『ね、そこだよね。頭では分かってるよ。でもまだ腹に落ちてない。そうかなと8割思いかけても、またバーンと鋼のように元に戻って、「いや、僕は正しい」っていう方に跳ね返るんだ。昨日はだいぶ心にまで入ったかなと思ったのに、また今日になったらNO!になってたからね』
蓮 「今日の、サラ企画での対話を聞いておられたと思いますが、いかがでしたか?」
ジョブズ 『言いたい放題だったよね(笑)。まず「彼は1人目の子どもの母親に、養育費を月500ドルしか払ってない。お金にがめつかった」って? おいおい、それは・・・』
蓮 「ジョブズさん、“ああ言えばこう言う”が発動していると思います。魂につながって人生回顧をする。これは解脱のためであって、自分をありのままに受け止めるプロセスなんです。決して責めているということではなく、自分の心の闇を見切らないと、最終的な魂の光には到達できないから、それを認めてしまいましょう、ということで私たちは話していたんです」
ジョブズ 『ふぅ~、そうだったよね、ごめん。つい、いつもの戦闘モードが出るところだったよ。ヒトラーなんて言われたから、それでつい…。素直になって、認めがたいことも受け止めていくスタンスだね』
蓮 「仏教ではそれを、正見と呼ぶそうです。ただありのままに見る。それはネガティブだろうと、ポジティブだろうと、自分自身が課した今生のストーリー設定の中で、いろいろ体験したことを学びに変えるというだけなので。ジョブズさんは闇もあるけど、光もあったということですよね。そこにたどり着くために、心を開いて話しましょう」
ジョブズ 『OK。僕も自分の光は感じてる、神の方だよね。だからそれに胡坐をかいて、クソが便乗していることにはまったく無意識だったんだ。本当にクソったれだったよ、自分は。お金があるのに養育費をケチって、自分は物やお金に執着していないと言いながら、多額のお金を得るために執拗に交渉もしていた。それをいろんな言い訳をしながら、自分でもカモフラージュして、そういう自分には直面してこなかったんだ。
それに今日あなたたちが話していた、禅の師匠について。確かに、正統派ではなく異端児で、女癖も金癖も悪い人だった。でも直観はすごく効く人でね、ハッとすることは言うし、座禅をしたらポーンと本質にたどり着くような人なんだ。
でもすぐ揺れ動く。どっちにでも転ぶ。一瞬の境地と、その人の在り方が乖離している。それは自分もそうだったと思う。直観的に「これだ!」と本質を拾うけど、またそのすぐ後にはコロッとお金の交渉をしたりしてる。
だから、今日みんなが話していた霊能者の特徴である、神につながるポイント(4次元の直日)と、クソにつながるポイント(3次元の直日)の2点を、フラフラとあっちにつながったり、こっちにつながったりしていた、というのは確かにそうかもしれない。自分の個人的無意識を見た上で、魂につながったというタイプではなかったからね』
◎LSDの効果
ジョブズ 『そして、ポーンと天につながったのは、LSDをした時なんだ。たぶん、それまでは普通で霊能者じゃないと思っていたけど、素質としては持ってたんだろうね。それが最初から開花していたわけじゃなく、まずは肉体脳を育てていたんだと思う。だから最低限の自我は育った。現実検討力という意味でね、お金の交渉をしたりはできるわけだから(笑)。
だけど、all goodか all badで何でも極端に判断してしまうからね、まあ確かにその性質は麻原彰晃と同じか。それがあると、葛藤がないんだよ。「こうだ」と思うと「こう」、「ああだ」と思うと「ああ」。それが180度違っていても、そんなに違和感がない。そして<自己肯定・他者否定>だから、自分は絶対に正しく、人が間違ってると思うから、自分を省みることは一切ない。
そんな状態でLSDをやって、ポーンと天とつながってしまったんだ。そしたらアイディアがザーッと流れ込んできて、おそらくそれは5次元の世界がどう情報交換をしているかが、直観的にわかったんだろうね。つまりあっちでは一人ひとりの頭が、パソコンや携帯と同じなんだ。
それをこの現実でも、普及しはじめようとしているパソコンやインターネットを使って体現していくことができる、という感じがしたんだよね。その時の閃きが、「こういうの作れないか」「ああいうの作れないか」とアイディアを出していく源泉となっていた。
それで自分は悟ったと思ったけど、つまりはあのシリーズ4の本でいうと、3次元の直日が開いたということだったんだね。でももともと解脱していたから、最初は4次元の直日にもつながったんだ。その時はまだ我欲も少なかったしね。
でも、その後はどっちのつながり先も認識するようになっていたんだと思う。神(4次元の直日)とクソ(3次元の直日)を行ったり来たりしはじめ、でもだいぶクソに呑まれてしまったら、因果応報の結果が返ってきた、ということなんだろうね。特にお金にがめついところに対しては、てきめんに表れていた』
蓮 「それは憑依霊に憑りつかれていたからなんでしょうか?」
ジョブズ 『そんなはずはないと言いたいけど、それがものすごいパワーで現実を歪曲していくだろ?(笑)。関わったみんなが呼んだ<ジョブズの現実歪曲フィールド>。それは憑依霊のパワーかもしれないね。シリーズ4の中で、オウムの林康男さんが言っていたように、憑依霊のパワーに巻き込まれると「そうなのかな」とみんなが思わず同調してしまう、ってやつ。あの力は働いていたように思うね。
あと、ヒトラーが演説で聴衆を引き込んだように、確かに僕もプレゼンで顧客を虜にした部分もあって、ああいうのも霊能だったかもしれない。なぜなら、うまい切り返しの言葉はすぐに浮かんでくるから。それは自分の頭の良さだと思っていたし、本当に頭もいいんだけど(笑)、それに加えて<頭のいい憑依霊>が考えを吹き込んでくることもあったんだろうね。
そして、今日話していた、蓮さんが憑依霊とつながると顔の輪郭も変わるという話。僕も顔の輪郭がコロコロ変わったんだ。痩せてるか太っているかだと思われてるけど、スッキリ細い顔と、エラがある顔とがあってね。それが神とクソの顔の違いだったと思うよ。そうやって神とクソが入り乱れていて、憑依霊100%ということでもなかった。だから因果応報の結果が、速やかに働いたってことだろうね。
ね、こういうように頭はいいから(笑)、理解は早いんだ』
◎なぜこのような人格が形成されたのか?
2023年7月22日
ジョブズ 『自分の欠点は、すぐに頭で分かったつもりになることだと思っているし、どこまで心から分かったかというのが自分でも分からない。またコロッと反転する性質があることから、自分でも怪しいと思ってる。だからガンガン言ってみて、またクソが出てこないか、試してもらった方がいいと思うよ』
フロイト 『人間の心は複雑ですから、頭で分かっただけではすぐに揺り戻るんです。だから「なぜ自分はそうなったのか」という自分の無意識にあるものを見て行き、その自分を統合しなければ、本当に心から分かることにはならないのでしょうね』
ジョブズ 『確かに、何だか心の底でうずくものがある。いろいろ恵まれて育っているのに、なぜいわゆる発達障害?人格障害?どっちか分からないけど、そうなったのかなと思うと、妊娠期の自分のビジョンが浮かんだ。
その時、生みの母親からは「この子を生むのか、生まないのかという逡巡。家族の反対にあって、何でできてしまったんだという後悔。子どもを養子に出すことになった母親の悲しみや絶望感」が、胎児であってもダイレクトに伝わってきていたんだ。それこそ無意識に「お前はいらない。愛されてはいない」ということが、スポーンと入ってきたんだよ。
普通、人格形成というのは生まれてからの養育の仕方が問われるけど、それ以前に胎児の時のことって、もっと深い所に無意識的に作用しているものなんだね。それで、神に捨てられたというその種ができたし、その後のいろんな発達にも影を落として、あの100 か0か(all goodかall badか)でものを考える、あ、ボーダーラインだっけ? そのジョブズができたんだと思う。
そして、この前直子さんが言ってたけど「ジョブズさんは養子に出され、生みの親には捨てられた。でも、養父母はとてもいい人で大事にされ、それは選ばれたと思っているんじゃないか」ってことだったね。確かにそれはあった。それで、その捨てられた価値0のクソ自分と、選ばれたから100であるはずの神自分が、自分の中では同居していたんだと思う。
そして0は無意識で、100は意識的なんだ。だから普段は最強の万能感を抱いているけど、時に不安になったりすると「俺はクソだ」と無力感を持つという、そういう構造はあった気がする。
こうして自分で分析できるのは、今、蓮さんと合体してるから、その第1層の記録(これまで霊能者を解明してきた叡智)も全部読み取れるからなんだ。僕は勉強熱心の努力家だから、片っ端からそれらの情報を得て、学んでるってわけさ。
そういう意味で、けっこう蓮さんと似てるタイプでもあったから参考になったし、そしてここまで憑依のことが分かってからじゃないと、僕の複雑さは自分でもそちらでも解明できなかったのかもしれないね。
で、フロイトさんの最初の話に戻ると、やっぱ「因果応報が神から愛されてる」ってことが、どうしても受け入れがたかったんだよ。だって、無意識では神から捨てられたって思っている自分がいたからね。親って、胎児にとっては神とイコールなんだ。
因果応報は、頭ではすごく分かるんだ。だけど、それが愛だと受け入れることには、心がうずく。そういう揺れがあったと思うし、今もある。
そして、昨日はLSDで3次元の直日が開いたって言ったけど、それに頼らなくても最初から開いていたのかもしれない。だって、生みの親からは育てることを拒否されているからね。最初がそうだと、無意識では養父母にも委ねきれないところがあるから、欠乏感を埋めるために天とのつながりは持っていたと思うだろう?
だから意識的につながるようになったのは、LSD体験以降だけど、潜在的にはそれは開いていただろうと、今は思うね。
で、その捨てられた自分をいかに受け止めたらいいかっていうと、それは「この人生を歩むために、自分の魂が選んだ設定だった」ということだろ? いやぁ~、これまでの叡智が全部まとまってると、人生回顧は早いよね。主体的な人生回顧の先駆者とか言われそう(笑)』
蓮 「ノイマンさんの人生回顧は、どのように読まれましたか?」
ジョブズ 『それは1回休憩してからにしよう。あなたももう疲れてるだろ?』
蓮 「それもそちらからの指示(笑)?」
ジョブズ 『なかなかやるだろ? 優秀な人ってこうなんだ(笑)』
2023年7月22日
直子 「まだ謙虚さが足りないなあと言っていた、とジョブズさんにお伝え下さい(笑)」
ジョブズ 『えぇっ!(驚) 「よく分析していますね」と褒められるかと思っていたくらいのに!』
蓮 「私もそうなのですが、霊能者は傲慢だから、謙虚さが一番足りないのだそうです」
ジョブズ 『謙虚・・・。そういえば、それはあんまり考えたことがないね』
◎自分と憑依霊の割合
2023年7月22日
直子 「憑依については、『小脳からひっそりと、コバンザメのように知らないうちに憑りついている』とは、やはり思えないですよね、まだ受け入れがたい、ということで。
でも、お金への執着については、『お金があるのに養育費をケチって、多額のお金を得るために執拗に交渉もしていた』とのことですから、この点については認めたということでよろしいですね。
で、次は禅の師匠、乙川弘文さんについてですが、『確かに、正統派ではなく異端児で、女癖も金癖も悪い人だった。でも直観はすごく効く人でね、ハッとすることは言うし、座禅をしたらポーンと本質にたどり着くような人なんだ。でもすぐ揺り動く』ということでしたので、結局は本当に解脱して<4次元の直日>を超えた人ではなく、<3次元の直日>が開いたままの人だったので、自分の心の在りようによって幽界とつながったり、天界につながったりしていた、ということだったのでしょうね。
しかも、結局どちらかを意志をもって選択するのではなく、どちらも握りしめて揺れ動いていたからこそ、その結果として娘さんを助けようとしたにしても、溺死という<悪果>によって終わったように思いましたが、そう聞いてどう思われますか?」
ジョブズ 『うん。それは認める。僕と同じだった、ということだね』
直子 「それから、①『LSDをやって、ポーンと天とつながってしまったんだ』ということでしたが、本当にそれは天につながったのでしょうか? オウム真理教のクンダリーニ覚醒と同様に、幽界~天界も含めた縦軸につながった、ということではないでしょうか。
それから、②もともと解脱していたとのことですが、ジョブズさんは本当に解脱していたのでしょうか? もしそうだとしたら、何をもってそう思われますか?
また③LSD体験というのは、結局はそのように幽界とのつながりを強化することになると思いますが、それはどう思われますか? ずいぶんいろいろな人に推奨していて、その体験がない人を上から目線で見ていたようですが」
ジョブズ 『②の解脱していたというのは、自分はもともと5次元にいて、そこからやってきた、という意味ね。今生で即身成仏した、ということではなくて。
なぜそう思ったかといえば、自分が見たパソコンや携帯で情報がつながりあっているビジョンは、懐かしい感じがしたからだよ。元々そこにいたな、と思った。それを知っていたから、「あ、わかる」と思えるんだ。思い出した、ということなんだろうね。
①と③のLSD体験というのは、当時はそれこそが天とつながるためのツールである、と思っていたんだ。それをやらない手はないと思って勧めていた。そして、その体験で神になった(即身成仏をした)と思った自分を上に置いて、そうじゃない人を見下しているようなところもあった。自分は君たちとは違う特別な存在なのだ、ということでね。
神はそんな傲慢なことは、本当は思わないよね。くすぶっているクソの劣等感が、自分を優位に置かなければ不安だったんだろうと思うよ』
直子 「それから、皆が呼んでいた<ジョブズの現実歪曲フィールド>は憑依霊のパワーかもしれないし、プレゼンで顧客を虜にした部分も霊能だったかもしれないと認めていらっしゃいますが、ジョブズさんは、自分の力と憑依霊の助力と、何対何位だと思いますか?
また、指導霊のノイマンさんは、何対何とおっしゃるでしょうか?」
ジョブズ 『そこは切り分けたくないところだった。自分の有能さを鼻にかけているところはあったから、それが助力を得てのもので目減りするなんて嫌だからね。でも今、これまでの話を総合して思えば、5対5くらいかな?』
ノイマン 『いや、4対6、むしろ3対7といってもいいかもしれないでしょう。自分は自分の実力を高く見積もっているようですが、憑依霊の方が多いですよ』
ジョブズ 『はあ? 5対5でも、その後ノイマンさんにひっくり返されないように、自分の実力を思っているよりかなり低く見積もって出した数字だけど?』
ノイマン 『だから自分ではそう思っているけど、実際はそうなんです。コロコロと揺れ動く人は、結局は憑依霊に主導権を持って行かれますから』
ジョブズ 『え、ちょっと分からない。パニック。うっすら憑依霊がかかるくらいかなと思ったけど』
ノイマン 『今の憑依霊は巧妙で、しかも幽界上層の頭のいい憑依霊は、ビジネスの世界を席巻しようと狙っていて、あなたはそのいい獲物だったんです。ヒトラーのように低層の憑依霊とつながって大量虐殺する時代から、今はビジネスの最前線で、あたかも人のためにいい製品を作っていますと標榜しながら、お金儲けをして勝ち続けるのを、高層の頭のいい憑依霊たちが後押ししているんですよ』
ジョブズ 『いや、それはないと思う。だって自意識はかなりあったから』
ノイマン 『それが、現代版の憑依の仕方でしたよね、シリーズ4の本を読んだんでしょう?』
ジョブズ 『そんなことが自分に起きていたなんて、信じられない。自我はしっかりあったんだ』
ノイマン 『それは自我ではなく、我です。エゴはたっぷりあったでしょうから、憑依霊を呼んでしまうんです』
ジョブズ 『天とつながっていると思っていたけど?』
ノイマン 『まあ、両方に揺れ動いたので、そういう時もあったかもしれませんが、でもそれだけエゴが強かったんだから、ほとんど憑依霊だった、ということじゃないですか?』
ジョブズ 『人のためにやってたんだけど?』
ノイマン 『幽界上層の自己満足のための<人のため>、があるということでしたね』
ジョブズ 『あ~、確かに自己満足ではあった。それが種になっていたっていうことか。なんだか他人事としては「へぇ、そういうこともあるのか」と面白がって読めるけど、まさか自分が7割も憑依霊に食われていたと言われると、受け止め難い気持ちになる。えー、神だと思ってたのに…』
◎神の愛とは何か?
直子 「少し前の話題に戻りますが、実は以下のような言い方が、気になっていましたが、
『ね、こういうように、頭はいいから(笑)、理解は早いんだ』
『なかなかやるだろ? 優秀な人ってこうなんだ(笑)』
なぜ、必ずこのように言って終わらなければ気が済まないのでしょうか?
これはジョークに見せながらも、私にはまだ<傲慢さ>、<万能感>、<自己愛>が残っているように感じるのですが、いかがでしょうか?」
ジョブズ 『憑依霊ショックが冷めない中で答えてるから、いろいろ麻痺してて、本当に心から分かったとは言えないけど、確かにそれは「傲慢さ、万能感、自己愛」が残っているために出てくるものだったと思うよ。それが自分にあるということは認める』
直子 「それから、『それこそ無意識に「お前はいらない。愛されてはいない」ということが、スポーンと入ってきたんだよ』というジョブズさんの胎児期の記憶、これまで対話したヒトラーや麻原彰晃などの大霊能者の方々は、必ず何らかの被虐待児だったのですが、確かに(初めてのケースですが)胎児期に心理的虐待状態に置かれていた、とも言えますよね。しかも、里子に出される=実の親から見捨てられる、というのは最も大きな心理的外傷と言えるかもしれませんね」
ジョブズ 『そうだよね、無意識のところにそれが深くあったと思う。そして、養父母も僕が小さいうちから「私たちはあなたを選んだのよ」と養子のことを説明したけど、それは本人が受け止められるようになってから、言うべきだったと思うよ。何でも正直に全部言えばいいってもんじゃない』
直子 「確かにそうですが、ジョブズさんは養育親に対して、大学の件も含めてかなり専制君主的かつやりたい放題で、ご両親はそれを全部受け入れていましたよね。それはある種の<試し行動>でもあったとは思いますが、だからこそジョブズさんの身勝手さ、傲慢さも助長されたとも言えないでしょうか?」
ジョブズ 『そう、かなり専制君主だった。「自分が選んだんなら、ちゃんとやれよ」と内心思っているところもあったし、それでどれだけ自分を受け止めるかをやはり試して、そうやって愛をもらおうとし続けていた』
直子 「で、以下のコメントですが、
『やっぱ「因果応報が神から愛されてる」ってことが、どうしても受け入れがたかったんだよ。だって、無意識では神から捨てられたって思っている自分がいたからね。親って、胎児にとっては神とイコールなんだ』
憑依霊と強力に結託している人は、<因果応報>の働き方も鈍くなるので、ますます気づきにくくなるという悪循環があるのですが、ジョブズさんの場合は即明確に働いて、<あの世の私=神>は一生懸命気づきを促していた感じですよね。
ジョブズさんはそれを徹底して無視していただけで、その辺は先日列挙した通りです。だから、私は神から愛されていると言ったのですが、いかがでしょうか?」
ジョブズ 『この質問の回答に詰まって、小一時間は経った。因果応報は受け入れても、それが神の愛だと認めたくない自分がいた。そして、愛自体をどこか拒否したい自分がいたんだ。それが<自己肯定・他者否定>の自分なのかもしれない。そいつはクソで、愛だけは絶対受け入れないぞと、頑ななんだ。どうしてもそこで止まってしまうので、次の質問を読むと泣けた。
それは、僕が生みの親からは里子に出される、という人生を選んだことに対して、「それは何を学ぶためだったのか? どのような使命を果たすためだったのか?」と聞かれたことだ。
それは、愛を学ぶためだったかもしれない。これが浮かんだ時には、今までまったく泣かなかったのに、泣けた。神の愛を受け取り、自分を愛すること。愛を避けて禅に行ったのかもしれない』
蓮 「でも、禅の真髄は、ありのまま、だったんですよね。シリーズ4に掲載している図にも、「究極の愛は、ありのままを受け入れることだ」と書いてあったと思いますが…」
ジョブズ 『ありのままを受け入れるのが、愛? 思っていたのと違う、つながらない』
蓮 「愛には、次元ごとの段階や、その深さがあって、究極の愛とは「ありのままを受け入れる」ことなのではないか、ということです。「愛について」の対談もありますが、読んでみますか?」
ジョブズ 『そうする。またこの話題はその後で。ノイマンさんの人生回顧の感想も、表層的に答えてしまうと何なので、またもう少しまとまってからにする』
直子 「それからもう一つ、個人的なことでの質問がありました。
伝記を読んでいて、前半部分はほとんど境界型人格障害に見えていましたが、後半のアップルに復帰したあたりから、だいぶそれが緩和されてきたように感じました。
それは、奥さんとの関係もかなり影響していたのでしょうか?ジョブズさんがずっと抱いていた欠乏感が、奥さんやお子さん、妹さんなど、ご家族との関係の中でかなり埋められた、ということはあったのでしょうか?
もしそうだとしたら、最後までずっと仕事で走り回っていたよりも、最後の何年間かは、ガンによって幾分セーブされたのは、よかったですよね。
フロイトさんが「人生において大事なことは?」と聞かれた時に、「愛することと働くこと、そしてそのバランス」と答えたそうですが、全人生を振り返って、それはいかがでしたでしょうか? つまり、これは今生で何を学んだか、ということにもつながる質問ですが」
ジョブズ『あー、ここだよね。愛することを放棄して、仕事に走った。バランスなんてなかった。その中でも、人格障害がアップルに復帰してから緩和されたのは、家族をもったからというのは大きいと思う。
その前までは、こっぴどく会社を辞めさせられるなどの人生のどん底の時に、このままでは誰もが離れていくだろうということは感じたし、自分が人を信用していないということも自覚した。その後、実母に会って養子に出さざるを得なかった事情を直接聞いて、多少捨てられた感も緩和された。その後の結婚だったからね。
そうは言ってもまだましになった程度で、家族のことはやはり振り回して、自己中心的なところは変わらなかったとは思うけど、でもどこか無意識のところで愛されている実感を持ったと思うんだ。妻もそうだったけど、子どもからの愛というのはストレートだからね。絶対に僕を捨てない人を見つけた、という感じもあったよ。
ちなみに、婚外子の1人目の子を捨てたのは、自分がそうされた腹いせのところもあったんだ。でも母に再会した後には、関係をよくしたいと思って、それで少し僕の態度が変わったんだろうね。
だからガンになって、仕事をセーブせざるを得なくなって、最後は家族との時間を持てたことはありがたかったと思う。自分ではやはり疾走感を止めることはできなかったから。
はっ! これが神の愛ってこと? 最初は自分で気付くように、それこそ「ありのまま」を受け止めつつ、小さく悪果を出していた。それでも気付かないから、だんだんそのボリュームをあげていった。でも、もう僕は自分では止められなくなっているから、最後に強制終了という形でガンになった、ということか。
そしてそれは<悪果>ではあった。クソの自分はまだまだ走り続けて、栄光の日々を謳歌したかったからね。でも魂の自分にとっては、神からの愛としてそのガンを素直に受け取れば、それは止められなかった疾走を止めてくれ、家族と過ごす時間を与えてもらった、ということだったんだね』
2023年7月23日
蓮 「『愛について』(イエス×釈迦×立花隆)の対談(未発表)を読まれていかがでしたか?」
ジョブズ 『イエスが誰かの前にビジョンとして現れる時、分かりやすいように髪はソバージュにしてるって、笑えた(笑)。観念で思っている天界よりも、実際はもっと自由でユーモラスなんだろうね。ノイマンさんだって、生真面目一本じゃなくて、ビシッと言ったあとは、ユーモアで気持ちを和ませてくれたりするんだ。けっこうお茶目なんだよ。
あ、話がそれたね。アイドリングの話はともかく、本題では「因果応報は善因善果だけが愛ということではなく、悪因悪果も愛」と書いてあったね。自分が誤った道を走っているのを、<あの世の私=神>が、現実を通して問い掛けているんだ、と。
それって、神はずっと僕の動向を見守っている、ということだよね。まさか因果応報が、自分が見捨てられていないことを実感するためのものだとは思っていなかったから、うれしく感じたよ。僕は実の親には見捨てられていても、神には見捨てられていなかったんだからね。
そして、「第1層(魂)を追いやって生きると、神を否定することになる」ということだったけど、確かに<自己肯定・他者否定>って、自分の魂と神をも否定することだったんだね。そして、それは愛を否定していることでもあった。
愛はいろんな段階があるけど、相手の魂を思うがゆえの厳しい愛、それが因果応報の悪因悪果だった、ということなんだね。厳しい愛があるなんて、思わなかったよ。愛ってどちらかというと、やさしさかと思っていたから。
そして、釈迦が瞑想でつかんだ愛とは、ニュートラルなものだった、ということだね。それが「ありのままを受け止める愛なんだ」と。僕もふいにニュートラルになることはあって、そういう視点で人や物を見ると、その本質が見えてくることがある。そういう時は、一瞬4次元の直日につながっていた、ということだったんだろうね』
蓮 「今、どんなお気持ちですか?」
ジョブズ 『これまでは自分が中心で、すべてをコントロールしたいと思っていたんだけど、それが逆転した感じがする。神が中心のネットワークで、自分はその一端。そこは因果応報の法則が叡智の仕組みとして盛り込まれていて、それぞれが神の元に戻るために法則が働いているということだったんだね。
つまり誰一人見捨てないよ、ということだったんだ。今までこの感覚がなかったから、傲慢だったんだと思う。「自分は神だ」とは思っていたけど、それは神の分身であるという謙虚さがない、自己中心的な<神もどき>だったんだ』
蓮 「<因果応報の法則>は神の愛だということを心から分かることが、「神の中に私がいる」という謙虚さをもたらすんですね。スピリチュアリズムの根幹は、「神の中に私がいて、私の中に神がいる」ということだそうですが、「私の中に神がいる」ということに関しては、今どのように思われますか?」
ジョブズ 『あれ? 「私は神だ」と思っていたけど、「私の中に神がいる」と言われるとそれは見えない感じがする。やはり神も見えていなかったし、魂も見えていなかったということか…。使命が見えなかったのもそのためかな。直観でパッと受け取っても、実感がないという感じなんだ。ここはもう少しまた考えてみる』
◎ノイマンさんの人生回顧との比較
2023年7月23日
蓮 「では次に、ノイマンさんの人生回顧の感想をお願いします」
ジョブズ 『うん、今ちょっと気付いたこと言ってもいい? リードがそっちになってきているところは、変わっただろ? 受け入れて、委ね始めてる自分がいるということかもしれない。とにかくそれは変化だよ。全部自分でコントロールしたかったんだから。ま、でもこうやってすぐ言いたくなるところは変わらないけど(笑)』
蓮 「何を受け入れて、何に委ねているということでしょうか?」
ジョブズ 『愛を受け入れて、目の前に起こることは<あの世の私=神>が提示している現実だということだったよね。それに素直に委ねようと思ったのかもしれないね。委ねるに関してはまだ完全にではないけど、この方向だなというのは、つかんできてる感じかな。
えっと、ノイマンさんの人生回顧の感想だね。まずは僕と違って、ああだこうだ言わずに素直だよね(笑)。それって、自我が育っていたということにも関わるかもしれないね。自我の発育不全で脳のネットワークができていないための<共感性の欠如>、<自己中心性>というのは僕にはあったから。でも頭がいいのに自我が発育不全て、あるのかな…』
蓮 「IQとEQは別だそうで、シリーズ4に出てくるオウムの村井秀夫さんも頭は良くても、共感性はまったくなかったということでしたよね」
ジョブズ 『ああ、確かに。あそこまで極端だと分かりやすいよね。僕の場合は、キッパリ「これ」とも言い切れずに、いろいろな混合はあるように思うんだよね。あれれ、ちょっと思考が止まる…』
※進まなくなったので休憩をすると、以下のビジョンが浮かぶ
和室の真ん中に、きれいに盛り付けられた和食が並べられていて、開け放った窓からは庭が見える。そこにはノイマンさん、ジョブズさん、禅の師匠の3人がいて、みんなで話をしながら食事をしましょう、ということで設定された模様。
ノイマン 『禅とは、ただ、それを見る。ただ、その行為をする、ということですよね。食べること一つにおいても、そう意識していただく。でもその<ただ>ってとても難しいんですよね。第2層の闇がそれを歪めてしまい、エゴでコントロールするから。私の人生回顧がすみやかだったのは、「ただ、ありのままに、自分を見ていったから」なんです。そこには誰も罰する人はいない。
だけど、<自己肯定・他者否定>の人が、そのように「ただ見る」というのは難しいし、その性格がそうそう変わるものではない。だからひたすら、第1層の「魂の目で見る」というふうにしてみてください。それで見て行ったことを、第2、3層の自分にも落とし込んで、心から納得していくしかないのですから。
「自分で分かる、自分で見られる、自分は変われる」と第2層では思っていますが、分かったと思ってもすぐにまた自分のエゴが出てきて、心から分かることを阻害するんです。だから、自分は分かっていなかったことを謙虚に認めて、教えを乞う姿勢を忘れないことです。誰しも、自分だけでは絶対に魂までたどり着けません。
そして禅の師匠の乙川弘文さん、ジョブズさんにこれ以上付きまとうのはやめなさい。あなたと関わると、彼はまたB人格(魂とつながらない人格)に揺り戻されてしまいます。
尊敬するところもお互いにあったでしょうが、それぞれに依存して傷をなめ合っているところもあった。だけど、人生回顧は一人静かに、禅の瞑想をするように深く入っていくものです。そうでなければ、魂には至れない。その時に、かつての憑依霊との混濁仲間は無用です。なので、ここで切ります』
(ノイマンさんはスパッとその和室空間を切った。するとジョブズさんとノイマンさんはこちら側、乙川さんはあちら側と、その間に霊的なハサミが入れられたようになった。ジョブズさんは泣いて『ありがとうございます。自分では切れなかったです』と言った)
ノイマン 『見える憑依霊が彼。それと同じように、見えない憑依霊もたくさんいたと思いますよ。そうやって多くのブレーンを持っていることが、あなたの優秀さ、そして勝つことを担保していたんです。だからあれだけの大企業に育ったんです。幽界のパワーが、ポジティブな仮面をつけてビジネス界では君臨しているということです。
ヒトラーの頃なら分かりやすかったでしょう。その当時は戦争とは言え、凶悪殺人ですから。でも現代の憑依は、本人は気付きにくく、しかも<頭のいい憑依霊>が増えて、巧妙になってきているんです。禅だろうと、ビジネスだろうと、何だって語るようになっているんですよ』
ジョブズ 『…気付かなかった。全部自分の実力だと思っていたし、自分の優秀さだと思っていた。社会的にも、とてもいいことをしていると思っていたほどで』
ノイマン 『では私の人生回顧と比較して、一つずつ見て行きましょう。「ただ、見る」でしたね。そして、厳しさというのは深い愛なのだということも、もうお分かりですね』
ジョブズ 『はい、ありがとうございます。その愛を受け取りますよ』
ノイマン 『まず、脳のネットワークについては、どうでしたか? <自己肯定・他者否定>であれば、自分の観念で都合よく現実を見て行くので、キレイなネットワークになるとはとうてい思えませんが…』
ジョブズ 『自分に都合よく見て、人のことなど考えず、自己中心的に何でも押し通してきた。それにも関わらず、知能は高いので、いろんなことを情報として知っていたし、うまく人を使ってやらせていた。だけどそれは、ネットワークがしっかり出来ていたというわけではなく、むしろまだらだったんですね。
その代わり、苦手なところはうまく憑依霊から情報を得て、ブレーンをたくさんつけるようになっていた。おまけに、創造性のあるアイディアに関しては、ポンと4次元の直日からの直観も拾えるところがあったし、自分の審美眼で精査していくということもしていた。まさに神とクソをその時々に使い分けながら、両方を握っていたということなんですね。
確かに両方ある方が、都合が良かった。クソだけのアイディアでは、やはりビジネス界のトップには立てない。神からのアイディアだからこそ、誰にとっても新鮮で美しく思えるものが創れる。それをクソがビジネスのルートに乗せてお金に換えた、ということだった』
ノイマン 『全部が神からのアイディアだったのですか?』
ジョブズ 『いや、憑依霊からのアイディアも多かったと思う。それが自分でもどれがどれと分からない形で混濁していた。意識して使い分けているわけじゃなかったけど、そうなってしまっていることが多かった。でも、ここぞと思う時は、選べる自分もいたし、まったく受動的な操り人形でもなかった。だから死の間際は、神の方を選べたんだと思う。もうそちらしか選びようがなかったから』
ノイマン 『私が原爆を作ってしまった、その社会的責任に関して振り返っているところは、自分と照らしてどうでしたか?』
ジョブズ 『私は、やりたいことを現実的に可能にしていくことしか考えていなかった。社会的責任というより、社会貢献だとさえ思っていた。でも、それが子どもたちにどのような影響をもたらすかは、初期の頃は見えていなかったとしても、最後の方では懸念として社内でも話題にあがることがあった。だからまったく見えていなかったわけではなく、あえて見ないようにしていたと思う。
そういう意味で、責任を放棄していたところもあり、現状の中で出来る限りのことはしていこう、くらいに思っていた。完璧主義が幸いして、全部自分たちのシステムでまかなうということは、ある意味では情報保護にもなるという観点はあった。
でもそうは言っても、とにかく「出たとこ勝負で、問題が起こったら考えよう」というのが、最先端ビジネスの特徴なんだ。勝つためにはスピード重視で、社会全体を視野に入れて考えるなんてことはできないんだ。ともかく疾走するという前提の中で、出来る限りのことを行き当たりばったりでして、その範囲内でクレーム対策もする、それが今のビジネス界だからね。
ノイマンさんとの違いは、こちらはお金がからんでいたということだ。ノイマンさんはまったくそれには頓着せず、数学者として研究肌でしたよね。僕はアイディアマンとしての創作意欲が半分はあって、それは神につながる動機だったけど、もう半分のビジネスとしてお金にしていくことはクソにつながる動機で、それがミックスしていたんだと思う。
ノイマンさんは、科学と宗教(神)とのバランスが崩れたということでしたが、僕の場合はアートと技術、創造性とビジネスのバランスであり、それを統合するというのはとても難しく、その時々で揺れるというものになったんでしょうね』
ノイマン 「私がガンになって闘病した話を、どう感じましたか?」
ジョブズ 『ノイマンさんは、1年半の闘病ですよね。それは悪果というよりも、ほぼ「やるべきことをやった」ということだったからですよね?』
ノイマン 『違いますよ。まずは自分の<悪因悪果>を心から受け止めたから、それに対して次の因果応報が働いた。つまり、魂から見ると貴重な家族との時間を過ごせたという、<善因善果>の面が現れたんです。その二段階があったことを無視して、「結局は良かった」というミソもクソも一緒にして見てはいけないんです』
ジョブズ 『あ~、大きな目で見れば結果オーライなんだから、いいじゃないかという屁理屈論が、僕には潜んでいましたね。
僕の場合はさんざんお金にがめつく、人を振り回し、自己中心的な我欲で突っ走り、それに憑依霊もついてきて、魂からは離れてしまったので、その<悪因悪果>でガンとなった。
それを観念して受け入れたからこそ、その後に家族との時間を過ごせるという<善因善果>を多少受け取ることができた、ということだったんですね。ありがとうございます』
ノイマン 『自分がガンになったことを今、どう思われますか?』
ジョブズ 『そうじゃなければ、憑依霊にもっと操作されて、さらに悪い状況を繰り返し続けたと思います。本当にもう自分では止まれなかった。そんな僕でも見捨てずに、厳しい愛を神は与えてくれた。今ではそう思えます』
◎デジタル機器の悪影響
2023年7月23日
直子 「ジョブズさんのコメントの中で『それが子どもたちにどのような影響をもたらすのかは、最後の方では懸念として社内でも話題にあがることがありました』とのことでしたが、どのような話題が上がっていたのでしょうか?
シリーズ3にも書いたように、私が戦っていたのは、せいぜい80年代から90年代にかけてのビデオやゲームの影響で、その時点でも十分にその悪影響が出ていましたが、スマホが世界を席巻してからは、もはや戦いは終わったと感じて諦めました。
自分たちが開発しているものが、子ども世代に及ぼす悪影響というのを、その時点でどのように考えていたのでしょうか?」
ジョブズ 『2000年まではまったく懸念はなく、iPhoneを出した時は希望や可能性の方を感じていた。ただ、それから5年もすると、社員たちが自分で使っていく中で、それがどれだけ依存性をもたらすのかに気付き、報告がいろいろあがってきた。自分たちがまずは被爆したんだ。
しかし、依存というのは、もはやそれを手放せなくなるということで、それはマーケットが確実に広がることを意味していた。便利さと依存性がセットになり、さらには操作自体も快適で自動的になるように意図しているところがあった。毎日何度も頻回に使うには、ちょっとしたストレスを減らして、使い勝手をよくする、というのが必須条件だからね。
そうなると、それが全世界に普及するだろうこと、一人一台の時代が来るだろうことは目に見えていた。それくらいの先見性があるから、トップ企業で在り続けられるんだよね。
2010年になると、もはやそれが中毒になるということも分かってきていた。だからIT関連の人たちはみんな、自分の子どもにはデジタル機器を持たせない。体に悪いと知っても煙草を売っている企業と同じなんだ。
だから内心は「便利で、快適だけど、続けると中毒性もある」と思いながら、「使い方は結局は本人次第なんだから、僕たちは知らないよ。ちゃんと使えば、あなたの生活や仕事をがらりと進化させてくれるものになるはずだ。人間はどこまでも可能性を持っているのだから、その新世代のデジタル機器に対応していくだろう。でも、僕たちは自分の子どもには使わせないけどね」という感じだった。
そして、前半の懸念は自己責任として棚上げにして考えないようにし、可能性にだけ目を向けていたという状況だった。ただ、それらをすべて総合的に見て考えていたかと言うと、そうではなくて都合よく論理をすり替えたり、ポジティブな方向に偏ってとらえたりするので、特に葛藤が生じていたわけでもなかったんだ。自己矛盾があっても、コロッと違う論理展開ができてしまう。そうやってどんな時でも、スルッと都合よく「ああ言えば、こう言う」になっていたから。
そんな中で、悪影響という事実に直面して青ざめる人は社内にもいたし、そういう人は辞めていったね。僕がガンや死を最終的に受け入れられたのは、「私がしてきたことはよくなかったのかもしれない」という気持ちも内心はあったので、「そういう世界をもう見たくない」、「もうやめたい、誰か止めてくれ」という気持ちも潜在していたようにも思う』
◎人類の限界
直子 「おそらく、ノイマンさんやジョブズさんがパソコンを開発されているときに、それが実現したときの世界を、いろいろと夢見ておられたことと思います。実際に、そうした発展によって、今もこのようなやり取りが即可能になっています。実は、我が家では昨晩から1日ネットが不通になっていたもので、その不便さを痛感していた、ということもありました。
ですから、もちろんインターネットの普及によってプラス面も大きかったと思いますが、マイナス部分もあったということで、今ご覧になってプラス面とマイナス面と、どちらが大きいと思われますか?
選択の自由が与えられた人間は、原爆にしろインターネットにしろ、個人はともかくとして、人間の集合意識が神に向かう方向で使いこなせるようになるのかが問われていた訳ですが、私はここまで来てしまうと、その限界を謙虚に認めざるを得ないのです。で、お二人はいかがでしょうか?」
ジョブズ 『パソコン開発当初は、本当に希望しかなかったんだよね。インターネットで全世界がつながり、個々人が発信できるようになった時点で、これはすごい!と思った。意識の拡大がなされる、新しい時代が来る、と確信したんだ』
ノイマン 『私はもう少し前の世代ですが(1903~1957年に生きていた)、パソコンは脳の仕組みを機械化して真似ているものですから、人間の可能性を飛躍的に向上させるものだと思っていました。そして、原爆もそれをエネルギー生産に建設的に使えば、世界の人たちを救う発見でもあったと思います。
だからどちらも、善用してうまくコントロールできるよう、個々の人が管理して使う分には、非常に優れた恩恵だったと思います。そういうプラスの面があったにしろ、集合意識がそれらを結局はどう使ったか、ということですよね』
ジョブズ 『集合意識としては、それらの技術を神に向かう方向では、使いこなせなかったということだよね。今、全体の流れは核戦争と、機械中毒と情報過多の世の中に向かっている。一見あらゆる情報があるように見えて、フェイク情報や表層的な情報が多く混在する中で、真実が見えなくなっている。
しかも自ら思考しなくなり、安易にその場しのぎの情報を得る様は、まさに僕たちが憑依霊にアイディアをもらって動いていたのと、同じ構造だよね。認識できる世界は広がりを見せたけど、そこに本当の体験による学びはなく、頭でわかったつもりになっている表層的な世界が広がっただけだった、ということだ』
ノイマン 『私も同感です。人類は、それらのアイテムを使いこなせなかった。それが、謙虚に認めるべき現代人の限界なのでしょうね』
◎<新しい世界>は、どのようになることが望ましいか?
2023年7月24日
直子 「そもそも、ジョブズさんが対話を始める前に居た原始的生活の状況と、生前、自家用ジェット機で世界中を走り回っていた状況と、いかにも後者は進化した世界のように見えますが、精神的にはどうなのでしょう?
前者の方が(例えば、ネイティブアメリカンとかアボリジニーとか)、精神的には成熟していたのではないかと、私は思いますが。
<ダーウィンに消された男>と言われていた、アルフレッド・ラッセル・ウォレスの以下の言葉、
『十年以上もイギリスを離れていたあげく(英国に)帰国したウォレスは、故国の文明の方が“後れている”はずの部族社会の文明よりよほど暴力的で、非情で、不作法だということに気づく。
「英国民の大部分はいまだに未開人の道徳を超えていないし、多くの場合、それ以下に落ちている」と彼は友人にこぼしている。
科学が信仰の喪失を速めている可能性はある、とウォレスは考えた。それに、信仰を持たない社会は退化に向かう恐れがある。神がいなければ、―もしくは、少なくとも神への信仰がなければ―善悪を裏付けるもの、賞罰を保証するものがなくなってしまいかねない』
以上の話しや、以下のジョブズさん自身のコメント、
『ノイマンさんは、科学と宗教(神)とのバランスが崩れたということでしたが、私の場合はアートと技術、創造性とビジネスのバランスであり、それを統合するというのはとても難しく、その時々で揺れるというものになったんでしょうね』
というのも含めて、<新しい世界>がどのようになることが望ましいと思われるか、お二人で話し合ってみていただけますでしょうか?」
ジョブズ 『自家用ジェットで走り回っていた頃よりも、地に足をつけた原始的な生活の方が、よほどホッとするものがあった。走り回っている時は、あたかも何かから逃げているかのようにも感じたし、常にアドレナリンが出て興奮し、駆り立てられて走らずにはいられない。目まぐるしく過ぎていく景色は、自分がスピードを出していることの証明で、それがまた有能感を抱かせるという具合だった。
スピードを上げれば上げるほど、考えは浅くなる。そうしないと間に合わないから、深く落とし込んで考えることはしない。当時はメチャクチャ考えているつもりだったけど、それはいかに損をせず得をするかという枠組みの中で、だったんだね』
ノイマン 『ビジネスマンという面では、スピードと経済原理に押されたと思いますが、それだけでなくいいモノを作りたいという、創造的アーティストという面もジョブズさんにはありましたよね』
ジョブズ 『できるだけ美しく、シンプルで、機能的で、コンパクトで、これまでは無理だと思われていたことを統合したような製品を目指してはいました。そういう開発の楽しさは、創造していく時の喜びに近いものがあった。それに技術が追い付いてきて、それをビジネスに乗せていきました。
そうすると、あっという間に広がるけれど、あっという間に売れなくなる。競合他社もいるから、どんどん「次」を作って、進化し続けないと勝てないんだ。そして気付いたら、勝つためのゲームに夢中になってしまう、そういうところは確かにありました。
一人のアーティストが工房で納得のいく壺を作ろうと、自分のペースで創作しているのとは違う。大企業になり、グローバル化した時点で、大きな経済的な激流に乗らざるを得ない。それですっかり自分のペースを見失ってしまうんでしょうね。
それに比べて原始的な生活は、自分のペースも守られるけど、多くは自然のペースに合わせるところがある。「雨が降るのを待ち、木の実がなるまで待ち、そういう天のペースに自分を連動させていくようにする。そうなるとちょうどよく雨がふり、必要な時に木の実がなる」ということが、天とつながって生きている状態ということなんでしょうね。自然界の動物もみんなそうですよね』
ノイマン 『だけど、動物のように生きることが、私たちに求められていたことなんでしょうかね?』
ジョブズ 『確かに、私は極端だから、一気に原始的な生活に舵を切ったところがある。でも、産業革命以降の人類は、科学的発展にあまりに傾倒し、そこに経済原理も加わり、観念としても「為せば成る」と、すべてを自分たちがコントロールする方向に走ったように思います。だから、まずはコントロールを手放すことが大事なように思うけれど』
ノイマン 『コントロールするか、手放すかという極論ではなく、神に向かう方向に自ら選択していく、ということではないでしょうか。だから核も機械も、それをどう使うかをしっかりと自分の良心にも照らし合わせながら選択する、ということです。
スピードが求められる中で、迷いなく何でもやってしまうことが、私たちがバランスを失った根幹にあるのではないでしょうか。だから科学と宗教(神)、またアートと技術、創造性とビジネスの間でも、いろいろと葛藤しながら決めていくことが大事なように思います。
私たちは、自分たちがすることが、善か悪か、人のためか自分のためか、よく考えなければならなかった。自分の良心に問うこと、そして全体とのバランスを常に意識すること、それが最終的に現れた、私たち〈ホモ・サピエンス〉に求められていたことなのではないか、と思います』
ジョブズ 『しかし全体バランスを常に意識するなんて、そんなことできるんでしょうか。ノイマンさんほどの天才であれば、世界のすべての状況を把握して、それを即座に善悪正誤の判断するのも可能なのかもしれない。
でも、これだけ多様化して複雑に絡み合ったグローバル社会の中で、何が正しいかをちゃんと見極めて意志決定していく、しかも企業の存続のためには利益も確保しなければならないという中で、それができるとはとうてい思えないんですけど』
ノイマン 『確かに、難しいですね。今、生活空間が広がりすぎていること自体が、まずは問題なんでしょうね。ここは、身の程をわきまえて小さな村で粛々と、というのが、やはりよかったのでしょうかね(笑)。その方が精神的に豊かで、仲間の顔が見える中で内面的にも深まっていくでしょうから。
自分1人で学べるなんてことはなく、こうして人がいるからこそ支え合い、学び合える。人との関わりを大事に、しかも深いところまでしっかり話せるような関係性を保つには、それに適した規模があるということでしょうね』
ジョブズ 『ホントですね。そして<因果応報の法則>! 何か問題が起きたら、天はそうやって問い掛けているってことですよね、愛をもって見捨てずに(笑)。だからその時に自分を振り返って、自分だけで分からなければ人にも相談すれば、よりよいバランスのいい選択ができるのかもしれない。
ここまでをまとめると、①スピードを落とし、②グローバル化はせず小さな村単位で、③それぞれが多角的に考えて決められるよう、いろいろな人と深く話し合える関係を持ち、④因果応報の法則にも留意して生きる、ということでしょうか』
ノイマン 『でもグローバル化したおかげで、人類の叡智が飛躍的に向上した面もあるんですよ。それがアカシック・レコードにも書き込まれているということです。その発展は、パソコンがなければできないことでもあった』
ジョブズ 『確かにそうですよね。でもそうなると、科学や文明の発展と内界を深めることを両立するのは、結局難しいということになりますよね。単にどっちかに振れて、単純化しては語れない、ということで』
ノイマン 『そう、確かにこれだという一つの答えはない難しさがある。それが、この宇宙泡の中でも一番複雑だと言われる3次元ならではのことなんでしょうね』
ジョブズ 『いやー、またチャレンジしても、どうなんですかねぇ。結局、何度も同じ失敗を繰り返してきたということですよね。神に向かうか神から離れるか、選択の自由を持った人間には限界がある、ということを徹底して学ぶためのプロセスだったとか(笑)』
ノイマン 『そうかもしれないですね。残念ながら神から切り離されて生きる人間には限界があり、今回もクリアすることができなかった。それをまずは謙虚に受け止めることが、やはり大事なことなのでしょう。
ひとまず、神と共に創造性を発揮するのを楽しめるという5次元の世界で、またじっくり考えることにしましょう。これだけ難しい3次元であっても、いつか神に向かうことが可能になるのかどうか…。ただ、私やジョブズさんのように失敗から学ぶ、という手もありますけどね、何回も懲りずに(笑)』
※参考リンク:「人生回顧 ジョン・フォン・ノイマン」