NEW 3.イエス・キリストの使命 シュタイナーの説明

 

2016年629

※シュタイナー

『レムリア文明とアトランティス文明の没後、高次の霊は人類にカルマを与えました。今後は、自らが引き起こした間違いを、自らが精算する機会を与えるためです。カルマが存在することは、人類にとって恵みとなりました。自らの罪を償うことで、再び向上する機会を与えられたからです。

 

そして、死後にカルマを精算するための霊的な循環システムとして、アストラル界が創られました。しかし、当初のアストラル界はまだまったく整備されておらず、人々が地上の残骸をそのまま持ち込んで、真っ暗な光も射さない混沌とした状態になってしまいました。高次の霊界からの光さえも、深海の底のように届けることができなかったのです。

 

そのような背景の中、イエス・キリストは降臨しました。地上では、霊的なものに対する理解は薄れ、自我も本来のあり方からずいぶんとかけ離れており、さらに死後の世界も混とんとした暗闇だったのです。

 

その状態の中で、イエスは本来の魂のあり方と、自我のあり方を示しました。魂と自我の関わり、すなわち天と地のあり方を、最も美しい模範として、自らの身をもって示したのです。当時は受け入れられることはなく、結局イエスは若くして磔刑によって、地上を去ることになりました。しかし、その後もイエス・キリストは恵みを与えていたのです。

 

すなわち、死後にアストラル界を上昇していく際に、真っ暗闇だったところを光で満たしていったのです。キリストの光に貫かれたことによって、アストラル界は慈悲の空間として整えられ、そこで人類は死後、生前のカルマを順当に精算していくことができるようになりました。イエス・キリストの使命は、まさにそこにこそあったのです。

 

そのアストラル界の浄化システムによって、人類はカルマの精算と学びを生かして、霊性を高めることができたかと言うと、もちろん向上していった霊も数多くいました。しかし残念ながら、全体的には物質の誘惑に負けて、この世もあの世もまた混沌とした状況になってきました。19世紀後半、そこに働きかける最後の一手として、霊的な真理に再び目を開くようにと、キリストが先頭に立って<スピリチュアリズム>をもたらしたのです。

 

そして今、リセットという命令が、キリスト神霊によって下されたのです。レムリアやアトランティスのように、現在の大陸も沈んでいくことでしょう。霊性の向上が、人類の目標なのです。それをないがしろにしたとき、そのような結果は起きるのです。このままでは全体的な進歩はもはや望めず、退化の道しかなくなるために、大きな神の愛のもと、それがなされるということです』

 

 

 

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