書籍:『死の向こう側 我々はどこから来てどこへ行くのか 本から学ぶスピリチュアルな世界』 紹介
『死の向こう側 我々はどこから来てどこへ行くのか 本から学ぶスピリチュアルな世界』
著者:三上直子
発行所:サラ企画
価格:1200円+税
発売日:2018年1月25日
単行本(ソフトカバー):140ページ
本書紹介
【はじめに】
「死の向こう側」というタイトルは、実は2011年3月11日の午前中に浮かんだものです。その時、死後の世界についてまとめた本を書かなければ、と思っていました。そして、その午後に東北大震災が起きました。その後すでに6年も経ちましたが、現在もなお、首都圏直下型や南海トラフの巨大地震、あるいは富士山の大爆発などが予測されています。次の大災害までには何とか間に合わせたいという思いで、またパソコンに向かい始めました。
実は、拙著『則天去私という生き方 心理学からスピリチュアリズムへ』(コスモス・ライブラリー、2006)の「まえがき」でも、私は次のように書いていました。
「結局、普段どんなに防災に励んでいようと、どのような宗教団体に入ろうと、例えば巨大地震が起こったときに、自分が地下鉄の中にいるか、ガラス張りのビルの下にいるか、高速道路を走っているか、あるいは遠くに出向いているか、それはそれぞれの運命だ。これまでの科学は、少しでも人間の死を先延ばしにする方向で発展してきたが、それでも必ず死は訪れる。しかし、そうしたとき、私たち信仰を持たない人間は、死をどう受け止めたらよいのか、その心の準備がほとんどない。本当は、死を先延ばしにする研究をするだけではなく、結局は誰もがいつか迎える死を、より冷静に安らかな気持ちで受け止めることができるようになるための援助法を、もう少し研究すべきだったのではないだろうか」
その気持ちは今も変わっていません。例えば外国に旅行するとしたら、誰しも前もってそのガイドブックを読むように、いつか自分も赴くことになる<死の向こう側>についての知識も必要なのではないでしょうか。
「死後の世界はあるのか」というのは、本当は誰もが持っている根源的な問いです。それに対して、何らかの宗教を信じている人は肯定し、科学や唯物論を信じている人は否定する、という人が多いでしょう。しかし、そのどちらでもなく、死後の世界など考えないことにしている、あるいはないと思うことにしている人が、実は大半を占めているのではないでしょうか。死後の世界に触れることは、今なおタブー視される領域になっているからです。
それは18世紀以降、近代科学が根付いてからずっと続いてきた傾向です。しかし、そうした中で自らの学者生命や社会的地位を投げ打っても、そして世間からの嘲笑を浴びせかけられても、<死後の世界>があることを証明しようとした人たちはたくさんいました。その一人であるアメリカを代表する心理学者兼哲学者のウィリアム・ジェームズは、さまざまな超常現象を研究した結果、次のように結論付けています。
「超常現象というのは、信じたい人には信じるに十分な証拠が出る一方、信じたくない人には否定するに十分な曖昧さが残る。ちょうどそういうレベルの証拠しか出ないのが超常現象である」
それが後に<ウィリアム・ジェームズの法則>と言われるようになりましたが、実はもう一方で、彼は「すべてのカラスは黒いという法則をくつがえそうとするなら、一羽のカラスが白いということを証明すれば十分なのである」とも言っていました。それは、「死後の世界があることを証明するには、確固とした証拠を一つでも提示できるならばそれで十分だ」という意味でもあります。彼自身が、生前それを実証しようとさまざまな実験や研究を行っていましたし、没後、あの世からその<一羽の白いカラス>となるような証拠を友人に送ってきた、というエピソードもあります。
そのように、<死後の存続>を証明しようとした科学者たちは、19世紀の半ばから20世紀にかけてたくさんいましたが、そのような情報はこの情報社会の中にあっても、ほんのわずかな人にしか知られていません。私自身、ある時点からそのような領域に足を踏み入れた時に、現在では到底考えられないような実験や研究が数多く行われていた、という事実に驚きました。「われわれは、いわゆる死者との交信が科学的に証明済みの“事実”であることを信じる」と断言するほどの研究が、かつては多彩に行われていたのです。
本書では、それら<一羽の白いカラス>を証明しようとした人々のうち、私自身が確かと思われるものを厳選しながら、皆さんにご紹介していきたいと思います。その結果、「信じるに足る十分な証拠」と思われるか、それでも「否定するに十分な曖昧さが残る」と思われるか、それは各読者のご判断にお任せするとして、もし「信じるに足る証拠」と思われたなら、きっとそこから新たな人生が拓けてくることでしょう。なぜなら、<死後の世界>を知ることは、必ずや現在の生き方をも変えることになるからです。
【目 次】
第1章:精神科医が伝える<死の向こう側>
1.「かいまみた死後の世界」 :レイモンド・ムーディ
2.「死後の真実」 :エリザベス・キューブラ-・ロス
3.「輪廻転生 -驚くべき現代の神話-」 :ジョエル・L.ホイットン
4.「前世療法-米国精神界が体験した輪廻転生の秘密」 :ブライアン・Lワイス
5.「迷える霊との対話 精神病を除霊で治した医師の30年」 :C.A.ウィックランド
第2章:スピリチュアリストが伝える<死の向こう側>
6.「コナン・ドイルの心霊学」 :アーサー・コナン・ドイル
7.「幽霊を捕まえようとした科学者たち」 :デボラ・ブラム
8.モーゼスの「霊訓」:W.S.モーゼス
9.「霊界通信 ベールの彼方の生活」 :G.V.オーエン
10.「シルバー・バーチの霊訓」 :モーリス・バーバネル
第3章.死者が伝える<死の向こう側>
11.「誰も書けなかった死後世界地図」 :A.ファーニス
12.「タイタニック 沈没から始まった永遠の旅」 :ウィリアム・W・ステッド
13.「人間の生き方 死者たちが肉声でつづった不朽の霊の書」 :アーサー・フィンドレー
第4章:<死の向こう側>を前提とした生き方