現代版の憑依
2020年8月21日
『憑依と言うと、かつては自我を乗っ取られる状態でしたが、それは肉体が丸ごと憑依される、という状態だったからでした。そのため、憑依された本人は自我意識を失って人格も変化し、傍から見ても“憑依されている”ことが、かなり分かりやすいものでした。しかし現代では、そのような従来の定義では憑依とは言えないまでも、実際には幽界(アストラル界)の影響を受けている人は非常に多くなりました。
その結果、 No.3のように幽界が死後に行くところというよりも、 No.4のように人間の第2層と幽界が同心円上に描かれる方が、世情と合っているようになりました。それは肉体全体の乗っ取りから、小脳の乗っ取りへと、幽界もやり方を変えてきているからです。
そのようになった背景としては、まずは脳自体の科学的解明が進み、(霊たちも)その取扱い方法が分かってきたこと、次に第3層だけで表層的に生きている人が多くなり、第2層が無防備になっていること、さらには大脳の前頭前野による自我の統合力が弱まっていること、などがあげられます。
全体的な知識が向上すれば、<天地の対話>の仕方も変わっていきます。一昔前までは、メッセージの受信は<入神形式>や<自動書記>が一般的でしたが、今は皆さんの受信方法もそうであるように、自我を保ったまま通信ができるようになりました。それは脳の科学的な解明によって、その構造と扱い方がアカシック・レコードに記録され、それによって新たな通信方法が編み出されてきたからです。
それと同時に、かつては幽界の霊も肉体に憑依するしか地上界とのコンタクト方法がなかったのですが、その脳についての知識をうまく使って、第2層の無意識層を巧みに操作することができるようになりました。
その結果、第3層の意識的自我は、以前と変わりなく機能しているので、本人はまったく気づかないまま、憑依霊たちが背後からじわじわと影響力を及ぼすことが可能になった、ということです。
ただし、それでも一時代前の日本人の心がそれなりに成熟していた頃であれば、それは不可能だったのではないかと思います。なぜなら、第3層の自我が第1層の魂としっかりつながった状態だったので、憑依霊が第2層の小脳や幽体脳に入り込む隙はなかったからです。
また、本人も<天の目>や<因果応報>や<世間の目>を意識して行動していましたので、不用意に第2層の衝動や欲望に駆られた行動は、概ね抑制されていたからです。
さらに、大脳の前頭前野の機能においても、魂とつながっている状態であれば、第1~3層の各層を見て、それなりに葛藤したうえで判断しますので、第2層だけが暴走して短絡的な行動をする、ということはそれほどありませんでした。
しかし今や、第3層の意識的自我だけで忙しく表層的に動き回り、その分無防備になった第2層の脳に幽界の憑依霊は容易に棲みつくことが可能になった、それが現代版の憑依なのです。しかも、その幽界の霊はコバンザメのように見えない形で人生を伴走しているので、当の本人はまさかそのように憑依霊と同化しているとは、思いもよらないようです。
以上、脳の仕組みという面から、現代における地上界と幽界の混合について、説明してみました』
参考ページ:No.3,No.4:<3次元の直日>を中心とした横軸と縦軸、<4次元の直日>を中心とした横軸と縦軸